短編/お題

□言
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つい、数刻ほど前。


沖田さんが私の部屋に来た。なんでも、土方さんが私に言うことがあるらしい。



既に、幹部は広間に揃っていると…。




この時点では代々予想は出来ていた。













「…本来なら、もっと早くに言うべきだった。」




そしてこれが、今の状況。



土方さんが、私の前で顔をしかめながら座っている。


顔をしかめるほど嫌なら、私の目の前には座らなければ良いのに。




















「出ていけ。」





ほら、予想通り。

普通なら、出ていく所だろう。


こんな地獄な様な生活から開放されるのだから。











『嫌です。』




だが生憎、私はそんな事をしない。


する筈が無い。やるべき事がまだ有るのだから。






「なんだと。」


『嫌だと行ったんです。』



絶対に出ていかない。皆に何をされようと。






「あまり、ふざけたことを抜かすんじゃねぇ。」




『ふざけてません。何を言われようと、嫌です。私にはまだ、やるべき事がある。それが済むまでは…出ていきません。』



「んだと…。どうせテメェのやることなんざ、アイツを傷付けるだけだろ。出ていかねぇなら、この場で殺す。」





殺す…ねぇ。流石に、幹部達全員には勝てる気がしない。




けど――…







『私は死なない、…まだ、死ねない。言いましたよね。やるべき事がある…と。』



そんなに、私を消したいのか。


ならば…






『では、こうしましょう。…私に変若水を飲ませれば良い。もっとも、狂う気も死ぬ気も無いですが。それに、私が変若水を飲めば…あの女に害はないでしょう。朝の活動は辛いのですから。』




朝の活動が多少辛くなるだけ。


そう言えば、幹部達は納得したようだ。













「良いだろう。…フ、小娘がどこまで耐えられるか見ものだな。おい、変若水を持ってこい。」









私は用意された変若水を勢い良く飲んだ。








大丈夫。…力の制御をすれば、抑えられる。





大丈夫――…



























(天国よりも地獄を選ぶさ)


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