青の祓魔師 CP
□星に願いを
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『星に願いを』
燐についていったスーパーでは、笹が飾られていた。
ところどころに綺麗な色をした紙がぶらさがっていて、その隣の立て看板には『七夕 短冊に願い事をどうぞ』と書かれ、そばにある机には色とりどりの短冊と、いくつかのペンが大きな缶に入って置いてあった。
それで、ようやく今日が七夕なのだということを思い出した。
そして、そのぶら下がっている紙が短冊なのだということにも。
最近は忙しくてそれどころではなかったため、すっかり忘れていた。
去年なんかは数日前から願い事なにしましょ、などと脳天気なことを言っていたのに。
「ちょっと、書いてってみよか。」
「おう。」
大きなスーパーの袋を、笹の近くに設置された短冊を置いた机にのせて、志摩と燐はそれぞれ短冊を選んだ。
「このペン使っていいのか?」
「ええんちゃう?
そこに置いてあるっちゅうことは、そういうことやろ。」
「じゃあ、ありがたく。」
言うと、燐はペンを
しばらく考え込んでから、志摩はキュッキュッと、短冊に願い事を書く。
燐は志摩が書き始めた後もまだ考えていたが、少しすると決まったのか、同じように短冊にペンを滑らせ始めた。
二人とも、いつもより書くスピードが遅いのは、多少は丁寧に書こうとしているからだろう。
「なあなあ、奥村くんはなんて書いたん?」
気になって問いかけると、燐は以外とあっさり答えを返す。
「志摩も見せろよ。」
「ええよー」
双方の同意の上で短冊を交換する。そう言えば、願いを教えてはいけないのは正月だっけか、と考えながら。
燐の短冊を見ると、いつもよりは多少マシになった字が、それでもがたがたしながら並んでいた。
「ええと……なになに?」