青の祓魔師 CP
□Very merry Christmas!
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12/24…いわゆるクリスマス・イブ。
その日、いつも通りの塾は、いつもとは違った風景を作っていた。
『Very marry Christmas!』
その日、奥村雪男は、双子の兄が目の前をきょろきょろしながら歩いているのを見つけて声をかけた。明らかに挙動不審だ。
「なにを、しているんですか?奥村君。」
「…ゆ、雪男。」
背後から声をかけると、びくり、と分かりやすく肩を震わせてから振り向いた。
びくびくした顔は、実は雪男意外にそうそう見られる表情ではないということは最近知ったばかりだ。
よくよく見ると、手には大きな紙袋。
あまり飾りっ気がないそれは無骨だが、明らかに重いものが入っているのが分かるほどにギシギシさせている。
「それは…なに?兄さん。」
にっこりと、有無を言わせない笑顔で問いかけると、燐はしばらく言葉を探していたようだが、結局観念したようにぼそりと答えた。
背中から出ている尻尾がてれん、と垂れている。
「み、みんなでクリスマスパーティーしようってことになって、だな…」
「クリスマスパーティー?」
怪訝そうな雪男に、慌てて燐がいいつのる。
「ここん
とこ、ずっとなんかあっただろ?
だから、クリスマスは楽しもう、て。」
「ふぅん。」
雪男がその言葉に気乗りしない様子で相づちをうつ。
その様子に燐がハラハラしながら「クリスマスパーティーなんて許可しない」って言わないでくれ!と心の中で叫ぶ。