むやみに

□魔法をかけて
1ページ/1ページ



長い割に中身の薄い部活が終わり、外に出た。辺りはもう真っ暗で、風が冷たくて、痛い。本当はあまり気が合わない友人達に取り敢えず手を振って、早足で歩きながら、考え事。
…今日のメニュー、わたしの嫌いな走り込みばかりだった。
…2人組を作るとき、あぶれた。
…顧問は、いつもすぐ怒鳴りつける。
…同じクラスの恵美は、わたしの事分かってるふりをする。
…あ、また赤信号。


ああもう。


違うの、ちゃんと知ってるの。
今日こんなにイライラしてる理由は、どれも違くて、そんな事じゃなくて、ただ、。
君と今日も話せなかったから。
他の子と楽しそうにしてるの、見ちゃったから。
お願い、誰かわたしに、



魔法をかけて



こんなに小さな事で、不安にならないように。
君に心を掻き乱されないように。
もっと優しくなれるように。
明日は君と話せるように。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ