OTHER

□UNDER THE SKY 3
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「ワイルド君、デートに誘いに来たよ!」
仕事を終えて帰り支度をしていると、いきなりキースがやって来た。
しかも、なぜかヒーロースーツを着て。

突然のライバルヒーローの登場に、社内中が大騒ぎになる。
違う部署の女子社員達が、興味津々でスキャンダルを見物に来た。
隣の席の相棒は、眼鏡の向こうから軽蔑の眼差しを俺に向けている。
なんてこった。
こんなことになるなら、公園でキスなんかするんじゃなかった。
「ははは…アイツなに考えてんだろうな」
「王子様を待たせたら悪いですよ。さようなら、オジサン」
笑ってごまかそうとしたが、バニーはさっさとオフィスを出て行ってしまった。
キースは来客用の椅子に行儀良く座っている。
きっと、マスクの下は爽やかな笑顔だ。
悪気はないんだよな。
俺は諦めて、力なく笑った。

「ワイルド君、空から夜景を一緒に見よう」
そう言われて、キースがスーツで来た理由が俺にもわかった。
俺は年甲斐もなく、わくわくしてしまった。
ビルの屋上に上がると、日は沈み、星が輝いていた。
オリオン座がくっきりと見える。
「行こうか、ワイルド君!」
「おう!」
キースは俺を抱きかかえると、ビルから飛び降りた。



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