紅蓮の優姫

□思いがけぬ出会い
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「臣緒ちゃん?!」





治療に当たっていた臣緒ちゃんは何かを呟いた後、いきなり倒れた。






「大丈夫?!…………寝てる」





臣緒ちゃんに駆け寄り抱き起こすと、規則正しい寝息を立てすやすやと眠っていた。





「この娘は…全く心配ばっかりかけて…」





臣緒ちゃんの身体を少し強く抱き締めその暖かさを感じた後、竹中の旦那とは離れた場所に布団を敷きそこに寝かせた。






「此処は………」















ようやくお目覚めだ…


























「お目覚めぇ?竹中の旦那」







「君は武田の………じゃあ、此処は上田か」





敵地に居るっていうのに、とても落ち着いている。





いつでも死ぬ覚悟が出来ているって感じだな。





「いくつか質問しても良いかい?」





「ど〜ぞ」





「僕はどうして此処に?」







「あんた、血を吐いて倒れてたらしいよ」






「そういえば…なんだか凄く身体が楽だ…締め付けられる感じが全くしない…」






「うちの姫さんに感謝するんだね。あんたを見つけて、俺様の反対を押しきって城に連れて来たんだ」






俺の言葉に、竹中の視線は自然と俺の背後に寝ている少女にいった。





『…ん…』





ちょうどその時、臣緒ちゃんが目を擦りながら起き上がった。





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