紅蓮の優姫

□思いがけぬ出会い
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「此処でそいつを見捨てれば、豊臣はいずれ力を失う。竹中を失った豊臣なんて敵じゃない…お館様も天下に近づくよ?」





私はゆっくり佐助の方を向き、数秒静かに目を合わせた。






『佐助。私は言った筈だよ…見捨てはしないって』






そして私は扇をふるった。






「それでこそ、武田軍の優姫様だ」






私は佐助の茶化す声を遠くに聞きながら、扇をふるい続けた。






外傷があるわけではないので、回復しているのかが分からない。









扇をふるい続け数分…少しキツくなって来た頃、懐かしい声が聴こえてきた。













臣緒…臣緒…


彼はもう大丈夫だ…



良く頑張ったね…



少しお休み…








『神…様………?』






その声を聞いた途端、私の視界は真っ暗になった。









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