紅蓮の優姫

□君がため
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海で散々遊んだ私達は、城へ戻った。





「…なんだぁ?」




城の近くで、元親さんがいきなり地面に耳を当てた。




『元親さ「東から、なんかがスゲー速さで近付いてくるぜ」





「臣緒、下がっておれ」





背後に私を隠し、その何かが近付いて来る方向へ武器を構える二人。




(だから何処に武器持ってるの?!)





やがて私の耳でも聞き取れるくらい、馬の蹄の音がいくつか聞こえてきた。





「止まれ!!貴様ら何者だ!」





ゆっくりと止まった馬に乗っていたのは…





『お、お館様ぁあ?!』




「臣緒殿!!」
「臣緒ちゃん!!」





『幸に佐助まで!』





「おや、私も居ますよ」




『うわっ!!』




ついでに光秀までいた。




「随分な顔触れだな」
「何用だ」




「何、儂の娘を返して貰おうと思ってのぅ」



「「娘?」」




振り向いた二人の視線に、必死で首を振った。






「臣緒ちゃんってばなんでこんなにびしょ濡れなの!!全くまた風邪引いたらどうするの?!」




いつの間にかタオルを手に近くにいた佐助に、頭をガシガシ拭かれた。





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