紅蓮の優姫
□君がため
5ページ/9ページ
海で散々遊んだ私達は、城へ戻った。
「…なんだぁ?」
城の近くで、元親さんがいきなり地面に耳を当てた。
『元親さ「東から、なんかがスゲー速さで近付いてくるぜ」
「臣緒、下がっておれ」
背後に私を隠し、その何かが近付いて来る方向へ武器を構える二人。
(だから何処に武器持ってるの?!)
やがて私の耳でも聞き取れるくらい、馬の蹄の音がいくつか聞こえてきた。
「止まれ!!貴様ら何者だ!」
ゆっくりと止まった馬に乗っていたのは…
『お、お館様ぁあ?!』
「臣緒殿!!」
「臣緒ちゃん!!」
『幸に佐助まで!』
「おや、私も居ますよ」
『うわっ!!』
ついでに光秀までいた。
「随分な顔触れだな」
「何用だ」
「何、儂の娘を返して貰おうと思ってのぅ」
「「娘?」」
振り向いた二人の視線に、必死で首を振った。
「臣緒ちゃんってばなんでこんなにびしょ濡れなの!!全くまた風邪引いたらどうするの?!」
いつの間にかタオルを手に近くにいた佐助に、頭をガシガシ拭かれた。
,