紅蓮の優姫
□君がため
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『やっぱり綺麗ですね!!』
「おうよ!」
浜辺まで私を担いできた元親さん。
すると後ろから、息を荒げた元就さんがようやく追いついた。
「…ハァ…貴様、いい加減臣緒を降ろせ!!!」
「お、忘れてたぜ!」
(忘れてたの?!)
元親さんは私の背中に手を添え、降ろしてくれるのかと思いきや…
「あらよっ!!」
フワッと浮き上がり、海へ落下。
『ぇ…ちょ、きゃあああ!!!』
─ドボーン!!
海に投げ入れられた。
「馬鹿者ぉお!!」
「アッハハハ!!!」
海の中で呆然としていると、元就さんに助け出された。
『びび、びっくりしたぁ…』
「全く、女子を海に放り投げるとは何事か」
「まぁまぁ。ところで臣緒、良い眺めだな!!」
海がだろうか、と思ったが元親さんの視線は私。
「散れっ!!!」
元親さんも海へドボン。
『着物か…』
着物が水で張り付いてたかららしい…
「着ておけ」
渡されたのは、元親さんがいつも羽織っている紫色の服だった。
『いつの間に』
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