紅蓮の優姫

□君がため
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『あ、まだ途中で…きゃあ!!』




これが終わってから、と言おうとしたら肩に担がれた。





「貴様!!臣緒を離さぬか!!!日輪に捧げるぞ!」





「ハハハッ!元就も部屋に引き籠もってばかりじゃ、カビが生えるぜ?」





(引き籠もりなんだ…)




元親さんは天然なのかワザとなのか、元就さんに喧嘩を売ると外に向かって走り出した。




『安全運転で、宜しくお願い、します!!』





私を担いだまま。





「今回ばかりは許さぬぞ!!待たぬか!!」




後ろから鬼の形相をした元就さんを引き連れて。







「元親様、決して臣緒様を落とさぬようお気を付けて下さいませ!!」
「臣緒様、ご無事で御座るか?」
「夕刻までにはお戻り下さい、元就様」






廊下で鬼ごっこする臣緒達に、廊下で会う家臣が皆声を掛ける。





『元親さーん、毛利軍ってこんなにほのぼのでしたっけ?』





てっきり、家臣さん達が元就さんの事怖がってると思ったのだけど…





「あぁ…元就の奴、臣緒が来てからだいぶ雰囲気が柔らかくなったからな。兵の扱いが前とは大違いだぜ」





『私?どうして?』





私、何かしただろうか…?





「まぁ臣緒は知らなくてイイことだ!!」




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