紅蓮の優姫
□君がため
3ページ/9ページ
『あ、まだ途中で…きゃあ!!』
これが終わってから、と言おうとしたら肩に担がれた。
「貴様!!臣緒を離さぬか!!!日輪に捧げるぞ!」
「ハハハッ!元就も部屋に引き籠もってばかりじゃ、カビが生えるぜ?」
(引き籠もりなんだ…)
元親さんは天然なのかワザとなのか、元就さんに喧嘩を売ると外に向かって走り出した。
『安全運転で、宜しくお願い、します!!』
私を担いだまま。
「今回ばかりは許さぬぞ!!待たぬか!!」
後ろから鬼の形相をした元就さんを引き連れて。
「元親様、決して臣緒様を落とさぬようお気を付けて下さいませ!!」
「臣緒様、ご無事で御座るか?」
「夕刻までにはお戻り下さい、元就様」
廊下で鬼ごっこする臣緒達に、廊下で会う家臣が皆声を掛ける。
『元親さーん、毛利軍ってこんなにほのぼのでしたっけ?』
てっきり、家臣さん達が元就さんの事怖がってると思ったのだけど…
「あぁ…元就の奴、臣緒が来てからだいぶ雰囲気が柔らかくなったからな。兵の扱いが前とは大違いだぜ」
『私?どうして?』
私、何かしただろうか…?
「まぁ臣緒は知らなくてイイことだ!!」
,