紅蓮の優姫
□時代をかけた少女
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「臣緒殿?!如何なされた!!!」
『…ッハァ………ハァ…』
信長を倒した後、倒れた臣緒。それに駆け寄りすこし抱き上げた幸村が顔を歪めた。
「これは…血…」
脇腹から溢れる血は止まることを知らず、地面に溜まりを作っている。
「臣緒殿!しっかりして下され!臣緒殿ぉ!」
そこへ、今川との戦いを終えた佐助がやってきた。
「旦那、やったんだ……ね…旦那…?………臣緒ちゃん!」
信長へと目をやっていた佐助が幸村へ目をやると、ようやく状況が見えたのか珍しく慌てた。
「退いて旦那!……毒にやられてる…こんな状態で…」
きっと蘭丸の矢には毒が塗ってあったのだろう。
『……ハァ…佐、すけ、みん…なは…?』
「皆無事だ…!俺たちが勝ったんだよ!」
持っていた布で止血を試みたが、それは意味のないものに終わる。
『よかっ…たぁ…』
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