紅蓮の優姫
□あぁ、友よ…
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今日も天気が良いですね…
青空に雲がフワフワ浮いてます。
そして私も浮いています。
心がじゃありません、体ごと。
いえ、浮いているというより落ちてます!!
『こういうときって本当に冷静になるんだなぁ』
そんな事を考えてられるのもあと少し。
地面に激突20秒前くらい。
『なんでこんな事になったんだっけ…』
たしかあれは、我が友達の友からの呼び出しで始まった。
「臣緒、助けて!!どーしても慶次のストーリーモードがクリア出来ない!!」
友はBASARAというゲームにお熱。
最初に私がそれを知ったのは、友の家に遊びに行った何度目か。
家に行くと、私が来たのにも関わらずゲームを続ける神経図太い奴。
まぁ、別に構わないからそのまま放っておいて、私は友の横に座り画面を見るだけ。
しばらくすると、また負けたァアと言う叫び声が上がる。
なんかクリア出来ないそうで、何度も何度もやり直してた。
私はその時…
『右から行けば良いのに』
小さく独り言を呟いた。それだけだった。
なのにそれを実行した友は、一回でクリア。感激したらしく、「臣緒は軍師だ!!半兵衛になれるよ!」…と言ってきた。
ぶっちゃけあの仮面にはなりたくない。
それから何故か、友は事あるごとに私にゲームの戦略を考えさせた。私はこういったゲームが苦手だから、直接的にはやらず、ただ指示するだけだけど…
今日もそのせいで友に呼び出しを受け、向かっている最中だった。
強い光に目が眩み、フッと一瞬だけ意識が飛んだと思ったらこの状態だったという訳です。
『凄いな〜私。20秒あまりでこんな長い説明しちゃったよ』
なんて言ってる間に地面激突。
『いたたた………』
凄い。私無傷…
しかし、それもつかの間の喜び。
「おや?人が降ってきましたね。」
『(あれは確か、友が格好良いィ!といつも発狂してる…)ぁ…明智光秀!!!!』
なんとあの変態みっちーが、いざ人を殺さんと兵に鎌を向けている所でした。
『(ここはBASARA!?まさかトリップ?!)』
「何故私の名を…」
みっちーは殺そうとしていた兵に興味が無くなったのか、今度は私に鎌を向けてきた。
「変わった格好をしていらっしゃる」
『(貴方もねッ!!)』
「何者か……教えてくれますか?」
満面の笑みをこちらに向けるみっちー。しかし、なんだか後ろから黒いオーラが…
『(トリップするにしても……もうちょっとマシな所にして欲しかったぁ!!!!)』
いくらなんでも、これは無いんじゃない?友さん…貴方の友達は、この世界に来て約1分…
既に三途の川が見えかかっております。
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