紅蓮の優姫

□君の優しさ
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「臣緒どぉおのぅおお!!此方で御座るぅうう」








─甲斐に一番近い港へ着くと、事前に知らせを送っていた為迎えが来ているのが見えた。その証拠に何やら赤い集団がチラホラ。






そしてまだ遠くに米粒程度に見える人影の一つが騒いでいるのが見えた。






「今のデケー声、彼処から聞こえたのか!?」





『多分、てか絶対。あれ確実に幸村だね』







幸村の声のした方へ船を近付けると、ようやく最前で大きく手を振っている幸村の姿が確認出来た。






「……あの人、悩みがなさそう…」







いや、お市さん。流石の幸村も悩みの一つくらいはあるんじゃ…






港に船が止まり、梯子を降りようとした体が突然浮いた。






「おかえり、臣緒ちゃん」





『佐助!!…ただいま』






どうやら浅井夫婦は甲斐を訪れた事が無いようで、物珍しそうに辺りを見渡していた。







「臣緒殿!!よくぞご無事でお戻りになられた!!」





『幸もただいま。そだ、これちょっと斬れちゃったんだけど…』







旅立つ直前に幸村からお守り代わりに預かった鉢巻きは、織田軍とやりあった時に矢か何かが当たったようで端が斬れていた。







「…何があったのか詳しく話して貰おうかなぁ?」






う、お説教再び?






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