紅蓮の優姫

□伊達軍滞在記
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『……ここは何処?』

眠りから覚め、瞳を開けるとそこは見知らぬ天井でした…

『…一昨日は確か…伊達軍と戦をして、武田が勝ってそれで…』

…思い出した。戦の後、伊達さんと小十郎さんは一晩上田城に泊まった。それから翌日、私を連れ奥州米沢城に発つことになった。

「Hey,臣緒!お前馬に乗れないんだってな!」

馬に跨がった伊達さんが、ニヤリと嫌な笑みを浮かべて見下ろして来た。

『はぁ…まぁ…』

嫌な予感がする…

「OKOK…なら俺の前に乗りな!!」
『謹んで遠慮申し上げます!』

無理に決まってる!!
あのBASARAの伊達軍OPを見て、伊達さんの馬に乗る勇気はありません!

「プッ…伊達の旦那フラれてやんの(笑)」
「こ…これ佐助。そのような事を申しては…ブフッ!」

佐助と幸村の馬鹿にしたような言葉が耳に入る。

(てか幸のキャラおかしくない?!)

「Be quiet!真田幸村に猿!!…乗れ臣緒!!」

そう聞こえた途端、腕を引かれ気がつくと政宗の腕の中。

「破廉恥で御座るぞ、政宗殿ぉおおお!!」
「旦那もやったじゃん」

私は更なる嫌な予感に冷や汗を一筋流した。しかし時は既に遅し…

「Let's party!!」
『いやぁあああ!!』

手綱を握らない、例のOP走りで爆走された。

「着いたぜ、honey?」
『ぅ…気分が悪い…です…』
「What?!小十郎ぉ!!小十郎ぉお!!」

(Whatじゃないよ…なんですか、貴方はなんでも小十郎さん任せなんですか?!…あぁ…疲れた…)

その後は記憶が無い。そして現在に至ると…

『伊達軍滞在は2日間か…』

早くも甲斐に帰りたいです…

取りあえず布団から這い出て、枕元に置いてあったセーラー服に手を延ばす。

(ちょっと待て…セーラー服がここにあって、私は寝間着なのか浴衣姿…いつ着替えたの!?)

プチパニックを起こしていると、襖の外から入るぞと言う低い声が聞こえてきた。

「起きたか」

その声の正体は、やっぱり小十郎さんだった。

『こここ小十郎さん!!私なんでセーラー服…!』
「せーらーふく?」

小十郎は臣緒の手に握られている、緑と白の色をした服を見て察した。

「あぁ、服なら女中が着替えさせた。ありゃ覚悟した方が良いぞ」
『覚悟…?』

覚悟とはなんだろう…まさか伊達さんや小十郎さんに馴々しくしたから、女中の皆さんが怒ったのだろうか?

「そのうち分かるさ。朝餉が出来てる、着替えたらそこにいる女中に案内してもらえ」

小十郎さんはそう言った直後、閉まっていた襖を思い切り開けた。

ドタタタッ…

そんな音を立て、数人の女性が部屋になだれ込んできた。

「盗み聞きとは趣味が悪いぜ?」

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