ラジアータ・ストーリーズ

□羽化
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俺は羽が欲しかった。
貴方の元へ飛ぶための羽。




「…やめろ。『様』なんて、付けるな…。こんなのはお前のジェラルド様とは別人だろう。こんな、てめぇの胸にすがりついて。涙こらえて、食い縛ってる…っ」

「いいえ。ジェラルド様は何も変わっていません。──俺が、変わったんです。あの頃の、十五の俺には見せられなかったお姿を見せて頂けるまで、ジェラルド様に近付けたんです。ジェラルド様が引き上げてくださったんです。もう、我慢なんてさせません。俺はもうあの頃の小僧ではないですから。ジェラルド様の全てを支えます。そう出来るまでジェラルド様は育ててくださいました。貴方は正しかったと、俺に証明させてください」




必要なのは羽ではなかった。
掴むための腕。進むための脚。


俺に羽はない。
包むために腕。立つために脚。






俺が貴方を支えます。








────

5周年記念のつもりもありませんが、5年間で私の中のジェラルドとグレゴリーはこれほど変化しました。
成長、弱体、驕り、依存。どんな変化か判りませんが5年前にはいなかった二人が今はいます。
5年前より幸せになっているならいいのですが。


2010/11/13

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