ラジアータ・ストーリーズ

□訓練場にて
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「ハッハァッ!チビのクセに簡単にふところ潜られてんじゃねェよ!!」

「ぐぅ……チックショォ……ッ」

「お?ナンだその目は。悔しいか。馬鹿にされて悔しいのか?ハッ、何回でも言ってやる。……弱えぇんだよ!」

微塵の情もかけず、ジェラルドは膝を付くジャックを見下し背を向けた。

「少しやり過ぎでは有りませんか?」

「ふん、副長ってのは部下に『いつかボコボコにブッ潰してやる』ぐらい嫌われんのが仕事だろが。お前だって、師匠にそうされてここまで育ったんだろ?」

「……まぁ」

ジェラルドに従い訓練場を出る前に、グレゴリーはジャックを振り返った。
未だジェラルドにしたたかに肘を入れられた腹を押さえ、吐き尽した胃液の傍らにうずくまっている。

「掃除しとけよ」

同情の欠片も無くそれだけ残しグレゴリーはジェラルドを追った。


「大丈夫かジャック。さすがツヴァイト、容赦無いよな。気ィ落とすなよ、お前の根性見るためにやってるんだからな。負けるのは当たり前だ」

デイビッドの慰めの聞こえる前に、ジャックは意識を保つのを放棄。白くなる世界に身を任せた。

「ありゃ、ジャック?……落ちたか。まぁた俺が担いで医務室行ってここも掃除して、ってか?」




──ジェラルド様がジャックを稽古するのは構わない、当然だが……。部下をいびる時の、あの危なっかしい笑顔だけはどうにかならないか。俺とやる時は大いに結構だが、他人とやっている時あの顔は、妬ける。それに見ているこっちが達きそうだ。……堪らん。

「ジェラルド様」

「あ?」

「後で、俺も手合わせ願います」

「ん、ナンだ、見てたらウズいたか?構わねぇよ。お前相手の方が面白れぇし。訓練場でやるか?それとも俺のベッド?」

「…………。はい!!!?」

「……、いいよ、聞き流せよ。下ネタだ」

「は、あ、ハイ。スイマセン」

───スンゴイ食い付いてしまった……!恥ずっ!!






終 
→あとがき

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