家庭教師ヒットマンREBORN!
□1+1=1
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ねぇ、リボーン。
ありふれた才能を持って生まれた君は、一体どんな気持ち?
俺はトイレ掃除しか出来ない落ちこぼれだけど…
リボーンの気持ちが、痛い程分かる気がするんだ・・・。
―――――
1+1=1
―――――
「何、考えてるんだ?」
「ん?」
乾いた喉を潤すため、ホテルに備え付けてある小さな冷蔵庫から、ペットボトル
の水を取り出し、一気に半分まで飲みきると、グッタリと項垂れているランボに残りの半分を渡した。
「ん〜?別に〜…・・」
情事のすぐ後だからか、ほんのり蒸気した肌が艶かしい・・・
その姿を隠す事もせずギャスターヴ・モローが描いた、美しい一枚の絵のようにリボーンを再び惑わす。
「考えてただろ?何だよ」
優雅にベットへ転げている、ランボの傍らに腰を下ろして、リボーンは気になる用件を再び問うた。
こうなってしまったリボーンは意地でも曲げないのを、十分理解しているランボは、一つ溜め息をつくと目を細めて言葉を紡ぎ出す。
「俺とリボーンって、似てるな〜なんて考えちゃった。」
「なんで?」
似てるなんて、言われた事など無かった・・・。
父親も、母親も居ない俺・・・絶対的に天才な俺・・・何処がランボに似ている
のか…何か、俺の望んで止まない言葉が・・・必要としている声が・・・聞ける
気がして・・・悪戯もせずに、ジッとランボの瞳を見つめながら話を聞いた。
「俺とリボーンの似ている所はね・・・・孤独な事。」
「・・・・っ。」
両親に捨てられた俺達・・・。
いくら仲間やファミリーが出来たって、決して拭える事の出来ない孤独感・・・。
天才と称されたって、落ちこぼれと罵られたって
向けられる視線は、嫉妬や卑下した物ばかり…心許せる人なんて居ない…だって
気を張りっぱなしのヒットマンとして、生まれてきたんだから。
拒絶された世界に居るのは、あまりにも辛くて、劣等感に押しつぶされてしまいそうになった事もあったけど・・・
「でも、同時に大切な者も出来たでしょう?」
「・・・あぁ」
「だから、俺達は似ているんだ…嫉妬・孤独・劣等感
・・・それと最後に親愛…共に経験して見つけただろう?」
「あぁ、そうだな・・・似ている・・な」
「遠い昔の事なんて、どうでも良い位リボーン・・・君を愛しているよ。」
望んだ言葉・・・あんたに出会うまで、偽りの言葉だと思っていたよ。
信じる事の出来ない言葉だと・・・・
「あぁ、分かっているさ・・・俺も愛してる。」
お前の言葉なら、声なら、信じられる。
「愛してる・・・ランボ・・・」
「あぁ、俺もだよ・・・」
「この言葉が、何処までリボーンの耳に届くのかは保証できないけどね。」
俺は微笑を浮かべながら、今其処に存在する愛に喰らいつく…・・甘く・・優し
く…ふっくらと情に満ちた唇を、骨ばった鎖骨に胸骨に肋骨に…ヘソを辿って、
はち切れんばかりに覆い茂るリボーンの熱に…更に濃度を高める様に、じっとりと嘗め尽くしてゆく・・・。
(リボーンの感じる場所や仕草くらい熟知しているさ・・・。)
唇を窄め、喉の奥でキュウキュウ絞めてやる。
涙を溜めた瞳でリボーンの顔をチラっと見ると、リボーンは一層顔を紅潮させて、俺の口の中へ精液を放った。
(ほらね…。)
さっき、あれほど出したって言うのに、こんなにイッパイ出たんだ・・・・。
口の中のドロっとした苦い液体をコクンと簡単に飲み干して、(まだまだイケるな)なんて考えながら
「リボーンの・・・美味しい・・・。」
って、涙を拭かないまま二コっとリボーンに微笑みかける。