WOLF`S RAIN&Vassalord.
□流血
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知っていますか?マスター
私が貴方を、どんな目で見ているのか…
この脳内で何度犯し続けたかを……
貴方は気づいているのでしょうか?
【流血】
「マスター」
明かりを最弱にした薄暗い室内に、チャーリーの小さな声がレイフロの耳に囁く
ベッドに横たわるレイフロは、胸を静かに上下させ深い眠りを表すように規則正しく寝息をたてている。
チャーリーは、レイフロの顎のラインへと手を滑らせ、ゆっくり顔を近づけながら端正な顔を覗き込む、じっくりと見れば見るほど思い知らされる……
レイフロは何百年と歳をとっていようが、中年男娼と言われようが、人を誘惑し魅了してやまない美貌をもっている…それは衣服で隠れてしまっている肉体にも言える事、その姿態を知っているからこそ…味わってしまったからこそ求めてしまう―欲――欲望は、ただただ膨大し、己を破滅する。
チャーリーは、いつも繰り返している自問自答をし、己が欲求を抑圧する
―いけない、欲してしまっては捨てられてしまう。
―嫌われてしまう。
―彼との時間が、全てが
――消えてしまう…。
他の事に気をそらさないと…、そう―…飢えてしまっているこの
「欲求を満たさねば…」
レイフロの寝室に向かい、彼の寝顔にホッとする。
今あの挑発的な目を見てしまったら抑える事が出来なくなってしまいそうで、溢れる欲は首筋に突きたてる牙へと変わった。
ずぶ…―――
皮膚を破り、脈打つ血管に穴を開ける。ドクドク流れ出る血液は極上
卑下た性欲を、高慢な支配欲を、貪欲な食欲で補う
「んぅ・・・」
レイフロが痺れる痛みに眉を寄せる。
ドキリと心臓が高鳴った
目を覚まさないで、マスター…――
願いとは裏腹に、レイフロの意識は覚醒し眠たげな視線を向けられる
「寝込みを襲うなんてチェリーにしては過激だな」
ククっと微笑を浮かべられれば焦れた胸は更に高鳴る
「チャーリーです」
舌を這わせ誤魔化すように貪りついた
「お腹が空いてたのか?凄い食付きようだな」
足りないのは私の中の貴方だ・・・―――
食に変換して求める私は、さぞ滑稽にうつるだろう
「美味しいか?チャーリー」
頬を優しく撫でられ、耳元で囁かれる・・・おかしくなりそうだ!?
「全部平らげて良いんだぞ」
ああ、そうやって
みすかした目を向けないで
浮かべた微笑は淫美で、
囁く声は悪魔のように
私の心を誘惑する・・・―――
さぁ、何処まで我慢できるのか
私は再び 血をすする
end.
駄作
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