BLEACH

□手のひら
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手のひら

あの時は確かにあった。
私の手に感じた貴方の温もりが…

ふと、毎日繰り返される退屈な日々の中思い出す。
貴方と過ごした、忙しくも楽しかった温かな日々を…

貴方はいつも怒ってばかりで、周りにやつあたりばかりしていて…私はそんな貴方さえも愛しいと感じていた…

だから、何度も貴方に愛を告げていたんだ。


―愛している―と、

ある日私は同じ口で「さよなら」と貴方に告げた。もぅ会えないと……

冗談なんかじゃない、貴方も理解していた。
こうなる事を…十分、分かっていた。
だから、涼しげな顔で私にこう言ったんだ。


「私は貴様なぞ愛してはいないヨ」
――勘違いしないでくれたまえ
「目障りだネ、早く消えろ」

私はとっさに貴方を抱き締めようと手を伸ばした…けど、私の手は貴方に届くことはなかった。
触れるギリギリの所で、貴方が持っていたメスに射抜かれ壁に抑えられてしまったから…


傷は癒え痕も残ってはいないが、私の手は未だ宙に浮いたまま

心も全て、貴方に奪われたままなんですよ。


涅さん

拒絶されようが…私はこの手で貴方を抱き締めたい。
貴方を愛しているのは私なんですから



END。

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