家庭教師ヒットマンREBORN!

□禁断の果実
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天上の国

そこに誰よりも賢く、気品溢れる美しい少年が居た。
その少年は神に最も愛され、天界でも神の次に権力を持っていた・・・。


その少年の名前は【ランボ】

天使階級上級第1位の熾天使(セラフィム) 



皆に愛され育ったランボは、純真純白の容姿と心を持った12枚の翼を掲げる大天使だった・・・。




―――――
禁断の果実
―――――


「やぁ、お早うランボ」

「お早うございます。綱吉」

金の玉座に威厳を構えながら堂々と座っている全能の神【綱吉】、神の御前で集まる上級天使(織天使セラフィム・知天使ケルビム・座天使スローンズ)の羨む中、当然のように神と挨拶を交わし、その右側へと腰を下ろす。
その席は綱吉の妻【京子】の対の場所であり、絶対的な権力を現す場所だった。


だからこそ羨んだ天使の眼差しは、大半がランボを捕らえていた…が、美しいランボを独占している綱吉にも向けられていた・・・。

「静かに・・・」

神々そして上級天使達の騒音を一瞬にして静粛にかえた綱吉。
これから、天界における仕事の指示や決め事を報告する。


「ランボ・・・」

「はい」

静粛の中、綱吉の声が宮殿に響いた
「ランボ、君には今やっている仕事を御休みして、闇の地へ行ってもらいたいんだ」

ざわっ

先程叱呵したにも関わらず再び辺りがザワつく…


気にする事なく綱吉は話をすすめた。

「ランボには闇の地の者を鎮めてきてほしいんだ。最近、彼等は色々と騒がしいからね…頼めるかい?」

有無を言わさない。
と、言った顔をしておきながら綱吉はランボに最終確認をとった


「はい、神様(あなた)のお約に立てるのならば」

―じゃあ、頼んだよ―
伝え終ると綱吉は天使達に他の命令を告げていた
ランボは、その姿をじぃっと見ながら闇の地での策を練っていた。



―闇の地―

そこは現世で地獄と呼ばれる場所・・・天上界の者が度々、悪さをしないよう見張るために闇の地へ行ってはいるが、対立している二つの世界…揉め事が無い事が無い。

不幸にも、何人もの光りが消え闇が消えた――。


まさか、そんな危険な場所へ自分が行くなんて思っていなかった…
綱吉はランボを気に入って、いつも側においていたし高い位を与えていたから…

―でも、それだけ期待されてるって事だよね!頑張ってお仕事遂行しなきゃ♪―


その日ランボは闇の地へ向かった。

ランボは初めて訪れた闇の地に驚愕していた。

「なに…ここ……」

仲間内から話は聞いていた。闇の地がどんな所か―

ランボは自分の想像が如何に甘いものだったか、自分が如何に甘やかされた境遇だったかを痛感せざるおえなかった。



其処には甘さ優しさなんてみじんも無い、薄汚い人間達は発狂し、醜い化物達は殺しあい狂った動きをしている―赤黒い血塗られた醜い世界―


ランボは此所で何を正せば良いのか分からなくなり、ただ呆然と闇の地を飛び回った。



と、闇の地の中央に高い高い塔が建っていた。近付くとランボは眉間に皺を寄せ目を離せず塔を・・・否、塔に埋め込まれた人間達を見下げた。

「これが人柱…」

―人間と言うことは、此所はまだ下層なんだ―


ランボは見上げるが先は霞がかって見えない……

大きな翼を広げ、その塔の先を目指す



途中、塔は人間から化物へと変わっていきランボは塔の天上へと辿り着いた。



塔の先はバルコニーのような入口が設置しており、ランボは其処で羽を休めた。



「ようこそ、我が地へ」

「あんたは?」


近付く気配に気付かなかった。声をかけてきたのは黒い服を纏った男だった――



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