家庭教師ヒットマンREBORN!

□☆欲望の果てに
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『あぁ、やっぱり…』

『…君の肌には血が似合う……』

白い、白い。

汚れの無い、この純白の肌には、深紅の熱い血と…

黒光る鞭が、良く似合う



━━━━━━━
欲望の果てに
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ピロリロリロリー♪
♪ピロリリー♪ピロリリー♪ピロピロ♪ピッ……

『はい、ランボです。』



普段めったに鳴らない
秘密の携帯が、高音で鳴ったためか…ランボは、急いで電話に出た。

『俺だよ』

『ぁっ』

『今日たまたま用事なくて暇なんだ、この前の所で会わないか?』


ここ1ヶ月鳴らなかった携帯から声が聞こえる。
戸惑ったのか、少し格好悪く反応が鈍ってしまった。


『…何本ですか?』



『……、二本だ…』


『わかりました。』


『二時に来てくれ、お前に会うのを楽しみにしていたんだ。遅れるなよ』


ピッ


今日の仕事は(オツカイ&トイレ掃除)午前中に終っていて。
明日の朝まで暇になっていたランボは、自宅の掃除をしながら電話を終わらせ、
出掛ける支度を始めた。


冬だからなのか、普段来ている牛柄シャツではなく、露出度の少ない、ヒットマンの様なストイックな着こ
なしで、家を後にした。




薄めのカバンと携帯だけを持って、カツカツと徒歩で目的の場所まで向う。
然程、歩く事なく待ち合わせ場所の公園に着いた。

そこは、奥まった所にある小さな公園で、夜になると発展場の様なラブスポットだ。
しかし昼間は、人一人通る事の無い隠れ家的場所である……人目を忍んで会うには絶好の場なのだ。


『少し早く来すぎたかな』
チラッと携帯を見て現在の時刻を確認する……1:36


『遅刻するよりマシかぁ』

時間に正確な彼なら、恐らく10分前に来るはず…あと数分。ブランコに乗りながら待つかな……



ランボの考えていた通り、約束の彼は1:50丁度に到着した。


『ランボ!?』


『ディーノさん』


黒塗りのベンツから現れたディーノは一目散にランボの元へと駆け寄った。


『お久しぶりです。ディーノさん、いつジャポーネに?』


『先日の昼にね。こっちでトラブルが起きたから来たんだけど、早々解決しちゃってさ。』


『あぁ、それで…』


『立ち話もなんだし、車にいこうか。ランボ…』



『はい、ディーノさん』


ディーノに引かれるまま、黒塗りのベンツに乗り込む、ゆっくりと座席に座る、
自然にディーノはランボの細い腰に手を回して瞳を合わせた。


『今日は時間があるんだ、何処か行きたい所は無い?』

『貴方とならば何処へでも…』


腰に回された手に熱を感じながら、ディーノにそっと甘えるように、もたれ掛かった。



『今朝は不機嫌だと思ったけど…ランボは中々…可愛い事を言うんだね。』


額に、ちゅっと優しいキスが落ちてきて、ランボは擽ったそうに微笑を浮かべる……





そして車は、ディーノの泊まるホテルへと向かっていった。


俺とディーノさんは、俺が幼少の頃からの知人で…。

始めは敵同士だったが、ボンビーノとも仲の良い関係でいる。



その切っ掛けと継続になる決めては、俺…だった…。


理由は分からないが、ディーノは酷く俺を気に入った。
多額の個人報酬を始めに、キャバッローネとの対等な立場と、揺るぎない同盟を約束してくれた。



それも全ては、俺の体を対価にして……。



条件を出された時は、激怒もしたし落ち込みもしたが、ボンビーノの…ボスの恩返しになるのならと……

ボスは何度も止めたけど、俺は突っぱねて、ディーノと快く契約をした。


只の自己満足なのかもしれない。でも、雑用ばかりで銃もろくに打てなくて…、
邪魔にしかならない孤児だった俺を今まで温かく見守ってきてくれた。
きっとこれが精一杯、ファミリーの為にしてやれる事なんだと思ったから。


俺は、ディーノのモノになった。



それは、いつ何時、何があろうとディーノからの呼び出しは絶対なのと同時に。


ディーノ以外には、身も心も捧げないという約束でもあった。






俺は完全なる
ディーノの玩具なのだ
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