家庭教師ヒットマンREBORN!

□猫物語
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ねこまた…――

猫も長く生きれば【ねこまた】になるという。
その容姿は人間だが猫でもあった・・・すらりと伸びた手足に尻尾、尖ったふさふさの耳、異常な身体能力等々・・・
神聖なネコマタは本来人間と共存せず、独り自然と暮らしているばずだった。

だが現在、森は消え自然が減少し、居場所が無くなったネコマタ達は人に飼われるようになった。

愛玩を目的とした、地位と名誉を持つ金持ちの見栄と娯楽として・・・



ここに一匹のネコマタが居る。
名前はランボ(雄)ネコマタ同士の間に産まれた、猫では無い純粋なネコマタだ

彼は幸運にも、産み捨てられてた所をボヴィーノファミリーのボスに拾われ、自然と人間との間で普通の家族みたいに愛され育てられた。

ボヴィーノボスが死ぬまでは・・・




=ランボ視点=

つい先日、ボスは死んだ。
ボスがいなくなったボヴィーノファミリーは、ボンゴレファミリーと言う所に吸収された・・・
今までボスが必死に隠してくれた俺の存在も公になり、俺はボンゴレボスに飼われる事となった・・・

ボスが死んで、数日部屋に閉じ込められて、俺は今日初めてボンゴレボスに会いに行く事となった・・・

ボンゴレボスに会うため、俺は黒い服を着た人達に着替えさせられ、目隠しされたまま部屋を出た

視界が防がれた闇の中は時間感覚さえ分からず不安で仕方ない、考えるは今後起こりうる自分の末路なのに、思い浮かぶはボヴィーノボスの事ばかり・・・
しかし、涙は渇れて流れてはこなかった。


どれ位たったのだろう
移動を終えたのか、ランボは目隠しを外されると部屋の中に居た。
辺りをキョロキョロ見回しても目に見えるのは大きなソファーとテーブルだけ、なんて質素な部屋だろう。

ランボは部屋の隅に背中を向け座ると扉をじぃっと見つめ続けた


ぴくっ
尖ったふさふさの耳が音を捉える。
扉のすぐそこから声が聞こえる、あれがボンゴレボス?――


「あっ、君がランボ君?」
扉からひょこらと顔を出したのは、幼い顔にスーツを着込んだ人間だった
「貴方がボンゴレボスですか?」
俺の飼い主の――
「そうだよ、沢田綱吉と言います。宜しくね」
すっと手を出された・・・
これは、お手と言う事?――
「宜しくお願いします」
ニッコリと笑顔を向け挨拶するが、ランボは決して手を差し出さなかった。

「ランボはいくつなの?」
「10歳です」
「じゃあ血液型は?」
「さぁ、そこまでは…」


あれから俺は、今居る場所がボンゴレ邸と教えられ(いわゆるアジトだ)そしてまた新しい部屋に移動し、幹部と言われる人達に会った

ボンゴレボスみたいな普通そうな人や、いかにもな人を前に簡単な自己紹介をしてと言われ、呆気にとられながら名前を告げると、先ほどからキラキラ目を輝かししていた普通そうな人達が騒ぎながら抱き締めてきた・・・・・
「キャー可愛いですー!」「ふわふわしてて柔らかーい」「ははは、ネコマタって本当に居たんだなー」「あたりめーだ!にしても本物は初めてだなー」
「もー、そんなに詰め寄ったらランボが困るだろー」
ランボの腕を引きそう言うと、落ち着いたのか興奮の渦は消えた
「あはは、ごめんねランボ。皆興味があるんだよ」
「いいえ」

ボンゴレボスは咳払いをすると、俺の事について幹部に命令を下していた。
それは幼い俺の保育係について・・・

そうか、この人は俺の買い主だけど、ボスみたいに側にいるわけじゃないんだ――
じゃあ、誰が俺の保育係(飼い主)なんだろう――

俺は一抹の不安を感じながら幹部達を見つめた。
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