家庭教師ヒットマンREBORN!

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アイツは甘えん坊で泣き虫で、いつも女を連れている印象が強かった。
だから一人でいる所を見るのは意外で、ついつい声をかけてしまった。
多分、それだけの事さ…

【】

「あれ、獄寺さん」
「よう」
煙草片手に手招きをすると、ランボは肩をぶつけながらも何とか人並みを掻き分けて近づいてくる
「お久しぶりです。いつ此方(イタリア)に?」
あぁ懐かしい…心地良い声だな――
「先週、やっと仕事が片付いてな…今は休暇中だ。お前は?」
「休みなんです、だから今日は買い物に…」
ああ、だから紙袋を抱えるのか――
「飴や葡萄ばっか買ってんじゃねーのか?」
お前は昔から其れが好きだったからな――
「あは、バレました?美味しそうでつい・・・獄寺さんこの後時間は?」
「あ゙?ねーよ、飯でも食いに行こうか考えてたとこ」
お前を気軽に誘えればなぁ――
「良かったら家来ません?たいしたもの作れないけどご馳走しますよ」
にっこりとランボは言う。
俺はランボの笑顔と、ランボ宅にて出されるであろう手作りご飯の本人自らの誘いに高鳴る胸を抑え煙草を加え

「不味いの出したら覚悟しとけよ」
天邪鬼にそう答えた。
ランボの家は賃貸でもマンションでもなく、可愛いと印象付ける一軒家だった。
大きくは無いが、一人では広すぎる二階建ての家は、中に入るとスッキリとしているのに、暖かいランボの人柄を表すようなそんな家を獄寺は一目で気に入った。
案内された牛柄ソファーも、テレビの横に置かれたファミリーの写真も、振り返ればキッチンに立って紅茶を入れているその姿も……
「すみません。珈琲メーカーやっぱり壊れてるみたいで、檸檬ティーで良かったですか?」
「ああ…ん、これは?」
2つのティーカップの前にクッキーが並べてある皿
「今朝出掛ける時に作ったんです。ジンジャエールだからそんなに甘くないはずですよ、ご飯が出来るまで摘んでみてください」
紅茶にミルクと砂糖を入れながら勧める手作りクッキーは本当に美味しそうで、姉と周囲の女共の影響で菓子類が大の苦手になってしまった獄寺は久方ぶりに手作りクッキーを口にした。
「美味い」
「本当ですか?やった」
それは素直な感想だった。甘過ぎず、抵抗無く味わえた…
「お前こんな才能があったんだなー」
「ふふっ、有難うございます。あっ、お湯沸いたかな…獄寺さん、ご飯出来るまで適当にテレビ視てて下さい」
「おー」
カップと共にキッチンへ消えたランボはいそいそと何か作り始めた、俺はテレビを付ける事もせず、紅茶とクッキーを口にしながらキッチンから聞こえる音に心地良さを感じ瞳を閉じた。


「獄寺さん?」
目を開けたらランボの顔があった。
「ん!!・・・?」
大きな目をくりくりさせて、愛らしげに「おはようございます」と言ってくる
視線を少しズラせばテーブルには紅茶とクッキーの代わりに、スープパスタやサラダ等が並んでいる。
あー、寝てたのか――
状況は理解した。
に、しても・・・ランボのアップ・・・びっくりしたー

「」

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