家庭教師ヒットマンREBORN!

□☆美しい人
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「ごきげんよう、Drシャマル」


気づけば"そこ"にヤツは居た。



【美しい人】


いつもと変わらない。今日も俺は淑女達に囲まれ、とあるパーティーに参加していた。
煙草をくわえずきちんと正装し、一流と呼ばれる著名人達の中パーティー主催の夫人へと挨拶を交わし、今回お持ち帰り出来そうなレディーをそれとなく探す

ふと、目がいった先はソファーに対し数人の紳士が向かい囲う姿・・・
勿論、生粋のイタリア男シャマルは紳士など眼中に入ってはいなかった、見つめる先は紳士達が囲うソファーにただ一人座っている美少女。


集う男達の隙間から覗く姿は、可憐で…儚げで…優美
艶やかな漆黒の髪に、陶器のような白い肌、印象づけるエメラルドグリーンの瞳はドレスの色よりも鮮明で、今まで出会った世界各国の美女達よりもずば抜けて美しかった・・・


気のせいか、その美少女が此方にニコリと笑顔を向ける。伊達男と名を馳たシャマルだったが、まるで思春期の中学生のように心臓を高鳴らせ赤面してしまう

それだけではない、その美少女は取り巻く男共を掻きわけ、此方に真っ直ぐ歩いてくるのだ。
周囲の視線を感じていないのか、静かに一歩一歩距離が狭まる・・・
「お久しぶりです。Drシャマル」

美少女は小さな声で、確かにそう言った。


「は?」
当然ながら、疑問符一杯だ…こんな美少女を俺は知らない!知っていたなら忘れるはずがないからだ・・・と、言うことは――

「俺の事を知っているのか、お嬢さん」

――脈あり?

「えぇ勿論ですよ…ええっと、誰か分かりますか?」

「失礼、こんな美女を前に俺は無力にも貴方に対して無知だ…どうか貴女のお名前を……そして、温もりを教えてはくれないか?」

白く小さな手を取り、キスを落としながら口説き文句を口にする

「あの…えぇっと、分かりませんか?・・ランボですよ、Dr」

瞬間、俺はフリーズした。
否、信じられなかった…むしろ信じてたまるもんかとさえ、この一瞬で思ったさ

小さな声で照れ混じりにコッソリ名乗った美少女が…いや、違うか…この偽美少女が・・・鼻たれ小僧なのか!
「ドッキリ?」
「な訳ないでしょ」
いや、むしろそうであって欲しかった…今感じた胸のトキメキを返して欲しい!そして本気で口説き落とそうとした俺を、どうにかして消してしまいたい――

「お前なー」
俺は一気に脱力する
「なんでそんな」
「わっわっわーーー!」
がしっとランボに口を塞がれる、そしてそのままパーティーから抜け出た廊下の隅に連れてこられる。
抜け出る間、多数の羨む妬ましい視線を感じたが正体を知ってしまった今、優越になんか決して浸れなかった。

「で、こんな廊下の端に連れてきて…何なんだ?」
「もー、Drシャマルが目立つからですよー」
何を言う、この美少女擬(もどき)が!目立つ行動してたのは全てお前だろうが!――
と、思ったが口には出さなかった。それよりも気になったのは
「それより、何でんな格好してるんだ?」
俺と並ぶ位の女好きで有名な伊達男のランボが女装をして(しかも美少女)一体何をしているのか?
「ゔ・・・それはですね・・・んです」
ランボの長い睫毛が影を作る
「は?何て?」
「だから、あの・・罰ゲームなんです・・・」
は?罰ゲーム?――
「誰と?」
「えっと、ハルさんと京子さんとイーピンです」
と言う事は、さっきの醜態をあの三人は見たって事か!?――
噂好きの彼女らによって、周囲に先程の醜態が広まる様が脳裏によぎり顔がサアアと青くなる
「大丈夫ですよ、イーピン達は諸事情でもうすでに皆帰っちゃったんです。俺だけタイミングずれて逃げそびれちゃってて」
はははと、力なく笑うランボ

「でも良かったです。こんな格好して彼処で一人…ちょっと寂しかったんで、Drシャマルに会えて…良かった」

ふきながら頬を染め笑うランボは、シャマルの恋愛フラグを立たせるには十分だった。

「バカヤロー」
赤面を隠すようにわざと悪態をつき、顔を見られないように手首を掴み、前以てとっていたホテルの部屋へと急いだ


「え、え、あのDrシャマル?どちらへ?え…」
ランボは困惑した様子のままだったが、立ち止まる事なく素直に部屋へ迎えいれる事ができた


「安心しろランボ、俺は自他共に認めるテクニシャンだ」
「は?」
掴んだ手首を引いてベッドに寝かせる
「まぁ男とは流石に無いが、俺はアホじゃねーお前を満足させる自信はある」
「え!」
そのまま覆い被さりネクタイを外し、両手首を一まとめにパイプへ固定する
「俺と女以外死ねば良いと病的に思っていたが、お前に惚れたみたいだ…」
「なっ」
身動きが出来なくなったランボを尻目に上着と靴を脱ぎ、ランボの肌触りの良い足をなぞりヒールを脱がせた
「なぁ、ランボ…愛している」
「なにいぃぃ!!」
驚愕するランボの顎を持ち上げ、ゆっくりとその艶やかな唇にキスをする
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