ユウヒナ
□第一話『それでもわたしは』
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いつもと同じように朝を迎えて、寝たきりの妹に食事を用意して
言葉を交わす事なく登校する。
学校ではクラスメイトとドラマやら芸能人の話をする。
昨日と変わらぬ日々。
明日もきっと続いていく。
平穏で当たり前で退屈な日常。
それでもいつか大きな壁にぶち当たったり、人生の転機が訪れたりするのだろう。
「……なーんてね。どっかの漫画の主人公かよ、わたしゃ」
わたしは如月夕夏(きさらぎ ゆうか)。
どこにでもいる中学1年
・・・のはずだった。
キチンと物が整理された部屋でAM6:00、目覚まし時計が鳴る。
「うーん、後5分だけ」
頭もとにある時計に手を伸ばしたが、届か・・・ない。
だけど意地でもベッドから出たくない。
「・・・はぁ」
しばらくして時計を止める。
隣の部屋で寝てる妹を起こすのも嫌だ。
また日課であるご飯作ったり、洗濯したり、と家事もある。
私はのそのそと起き上がった。