オハナシ

□ある日の放課後
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一人の少女を巡り二人の少女が火花を散らす。

巴マミは余裕さえ感じさせる雰囲気で、暁美ほむらは不機嫌そうに、お互いをにらみ合う。

鹿目まどかは助けを求め、美樹さやかはまたかと飽きれる。

そんないつもの光景。

しかし、今日ばかりは少し違った。

「話は聞かせて貰ったよっ!」

放課後の教室に場違いなスーツを着た女性が笑顔で乱入してきた。

「何でまどかママがここに!?」

一同の心を代弁してさやかが叫ぶ。

まどかママこと鹿目詢子は親指を立て答える。

「授業参観(自主)だからね」

唖然とする一同を放置して話を進める詢子。

「白黒つけりゃ二人とも文句はないよな」

鞄から『第一回、鹿目まどか★争奪対戦』と書かれた旗を取りだし掲げる。

この母親、ノリノリである。

「あの〜、私の意思は……?」

鹿目まどかが控え目に抗議の声をあげるが誰一人反応しない。

がっくりと項垂れる鹿目まどかを余所に、静かに闘志を燃え上がらせる暁美ほむらと巴マミ。

二人が思う事はただひとつ。

「(これで勝てば母親公認って事に……)」

盛り上がる二人を満足そうに見つめ、対戦内容を発表する詢子。

「勉強は学年が違うから駄目だとして……料理対決でどうだ?」

望むところだ、と意気込む二人に嫌な予感がする鹿目まどかだった。
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