ユウヒナ
□第一話『それでもわたしは』
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「忙しいのにごめんね」
彼女が口の物を飲み込み、わたしに頭をさげる。
彼女はわたしの事情を知っている。
「でさ、今度は私がアンタの家に行ってご飯作ってあげるから!」
・・・え?
「あ、あんた調理実習で不気味な物作ってなかった」
煙立つ真っ黒けの・・・物体が。
「大丈夫、大丈夫☆任せなさい」
すごく心配になってきた・・・。
そんなわたしの気持ちと裏腹に彼女は笑顔。
コレは止めないとガチで家にくる!
「家に妹いるしいいよ」
そうわたしがいうと彼女はそれこそ行かなきゃ、と張り切ってる。
・・・仕方ない。
「ま、いつかね。そんなに早く来なくていいからね」
もう止められないとわたしは確信したので軽く流す事にした。
絶対すぐ忘れてくれる。
と、わたしは信じてる・・・。