□不意討ちは反則です
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誰もいないはずの放課後の教室。


部活があるやつはもう行ってるし、帰るやつは帰っている時間。



「はァ〜あ、やっと帰れるぜ…。…んぉ?」



一番後ろの窓際の席。
いないはずの名前の姿。

机に伏せて寝ているらしい。



「何してんだか……うぉい!起きろ名前!」


「ん……あ…?」



のそり、と起き上がり辺りを見渡す名前。
寝ぼけてやがるな。



「ったく。何してたんだよ、こんな時間まで」



言いながら、自分と名前の鞄を持ち、帰り支度をする。
名前はボケェ〜、と、俺の顔を見ながら寝起きの掠れた声で、何かモゴモゴ言っている。



「……ってた…」


「あ〜?」


「和真…待ってた……」


「………」





ドサッ





寝ぼけてやがる
寝ぼけてやがる
寝ぼけてやがる


不意打ちの言葉に思わず鞄を落とし、硬直した。

名前は未だに寝ぼけていて、俺の体に後ろからのしかかってきたりする。



「お、お……




起きやがれァア!!!」


「い゙ったあぁ!!」



名前に渾身の一撃を食らわせて、逃げるように教室を出ていった。





不意討ちは反則です





((寝ぼけて変なこと言ってやがる……っ!!))
((別に寝ぼけてたわけじゃないんだけどね))



END

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