文
□滅べ変態!
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朝
「今日も可愛いですね。愛してます名前」
「…何でおはようより前にそのセリフなの…?」
学年で1番の変た…じゃなくて秀才、南野秀一。
そんな彼に、私は好意を持たれたらしい。
「ああ、すみません。つい本音が…おはよう名前」
「…おは、よう…」
後ろで可愛い女子がキャー!なんて言ってるけど、出来ることなら代わってあげたい。
いや、むしろ代わってください。
だってこの人、顔に似合わず変態なんです。
しかもしつこい。
「悪いけど、私眠いんだ。ごめん」
そう言って、机に上半身を預ける。
こうしていれば、話かけてこないだろう。
そしてできれば、どこかに行ってくれたら嬉しい。
「そうですか、おやすみなさい」
諦めてくれたか……
…いや、違う。
ものすごく視線を感じる。
ちらっ、と横を見ると、隣の三井君の席にどっかりと座っている南野が見えた。
しかも、ずっとこっちを見てる。
「……はぁ…良いなぁ。俺も机になりたい…」
うん。
私は何も聞いてない。
結局、先生が来るギリギリの時間まで南野は隣に座っていて、三井君は、ずっとその横に立っていた。
どけてやれよ…。
一時間目
「…で、三角形の外心は…」
眠い。
一時間目から数学だなんて地獄だ。
うとうととしていたら、斜め後ろから折りたたまれた紙が飛んできた。
方向からして…南野…いや、友達だろう。
きっとそうだ。
紙を開くと、定規やコンパスを使って描いたのであろう、綺麗なハートと、その中に『俺の気持ちです。秀一』と書いてあった。
私は、その紙をまた折りたたみ、教室の隅に飛ばした。
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