文
□君のタイプ
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「あ、名前」
「げ、蔵馬」
「ちょっと、それ酷くない?」
「酷くない酷くない」
「いや、俺傷付いたんですけど」
「大丈夫大丈夫」
名前とは、幽助と桑原君繋がりで知り合った。
幽助が魔族だとか、俺が妖怪だとか、そんな事は気にせず接してくれた。
そんな名前に、俺は心奪われた。
だから、会う度名前に想いを伝えているのに………
「ねぇ、名前。いい加減俺と付き合いませんか?」
「いやいや、残念だけど私にはそんな気全然無いですから」
…くっ…俺のどこが駄目なんだ!?
成績優秀、容姿端麗、性格だって文句ないだろうし、おまけに次期社長だし。
完璧じゃないか!!
「俺のどこが駄目だって言うんですか!!」
「顔、好みじゃないし、頭は悪くても良い。性格気に食わない。別に金持ちが好きって訳でもない。それに何より、」
私のタイプは桑原なんで。
な ん で す と ?
嘘だ!嘘だ嘘だ嘘だ!!
なんであんな潰れ顔が!!
絶対俺のがかっこいいのに!!
幽助ならまだしも、何故桑原君!?
「名前!考え直してください!!」
「失礼だな!桑ちゃんかっこいいじゃんか!!」
「どこがですか!?潰れ顔ですよ!?あんなただでかいだけの潰れ顔のどこがいいっていうんですか!!」
「桑ちゃん侮辱すんなこの野郎ー!!」
君のタイプ
「……泣くな桑原…」
「……ぐしっ…浦飯………俺って…何なんだ…?」
「大丈夫だ……名前はオメェの味方だ…」
「………オメェは……?」
「………」
「目ェ反らすなこの野郎ー!!」
END