□幼なじみとの恋愛事情
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月に一度の席替え。
俺の席は窓側の後ろから2番目、なかなか良い席だ。

「あ、隣り桑原?よろしく」

「あ?なんでェ、名前か」

「なんだはナイだろ。酷い奴」

「へーへー、すんません。これからよろしくー」


名前は、俺の幼なじみってやつで、幼稚園から一緒だ。
サバサバしてて、明るくて、絡みやすい。
俺の数少ない女友達だ。


「なんか、学校で話すの久しぶりじゃない?いっつもすぐどっか行くし。彼女でも出来たか?」

「ばーか、浦飯だよ。いつかアイツに勝ってやるんでェ!」

「また浦飯君か!好きだね全く」

「うるせ。で?お前こそ彼氏出来たのかよ?」


内心はハラハラしながら、さりげなく問う。
実は、結構前から名前のことが好きだったり…
…だが今さら告白なんて、照れくさくて出来やしねェ!


「あ〜…好きな人はいる、よ…」

「は!?まじかよ!?誰だ!?」

「言えるわけねーだろ。ばか」


やべェ。まじでやべェ!
つか、相手誰だよ!!
蔵馬とかだったら勝ち目ねェし、飛影…も勝ち目ねェか……。


「相手、誰だよ」

「言わない」

「言え」

「ヤだ。桑原には関係ないじゃん」

「言えって!!俺はお前が好きだから気になんだよ!!」

「…は?」

「…え?」


え?今俺何言った?


『お前が好きだから気になんだよ!!』


って…コレもうほぼ告白じゃねェか!!
いや確実に告白だろ!!




「…桑原、それ、ホント?」


最悪だ……もう、友達には戻れねェかもしんねぇ。


……でも……


いつまでもこのままって訳にもいかねェよな……。


「…あぁ…まじだ…。悪ぃか…」

「……」


振られんなら、男らしく振られてやらァ!!


と、覚悟を決めてギュッと目を瞑る。










ドンッと予期せぬ衝撃を受け、思わず目を開けると名前が俺の首に抱き付いてた。


「な、なんっ!?」

「桑原!!」

「はひっ!?」

「そーゆー事は、ちゃんとムードを作って言え、ばか!でも、そんなところが好きだぞ、ばか!!」

「ちょっ!お前、それまじかよ!?」

「冗談で言うか、ばか!」

「ばかばか言うなよ!!」

「うるさい、ばか!!」



ばかばか連発しながらも、名前はすごく嬉しそうで、なんだか俺も嬉しくなってしまって、最後は2人で抱き合って笑ってた。











教室だという事も忘れて……………。





幼なじみとの恋愛事情




1週間はクラスの奴らに冷やかされたのは言うまでもねェ………泣



END

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