永遠の夢
□彼女はもう泣かなくなっただろうか?
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- 丸井Said -
「はぁ……」
俺の目線の先には誰も居ない……。
俺の居たかった場所には、違う奴が居て
でも、俺の見たかったモノは確かに見れるようになった。
でも、どこか淋しさは残ってる。
あの場所が俺には心地よくて、でも俺にはもったいなくて、持て余す。
手放したくは無かった気がする。
でも、泣き顔を見ていたいわけでもなくて
だからと言って俺は泣き止ませる術なんかもって無くて、
もどかしくて、どうにかしてやりたくて
力になれない無力な俺自身が嫌で、
ただ、水の中を無意味にもがいてるような
溺れていくその感覚に目が回る。
騒ぐクラスメイトの声が聞えるけど、そんなことは気にしない。
適当に相槌を打って、ぼんやりとその影を探した。
いた。
そう思った瞬間、ただそこに居た彼女に目を奪われる。
女々しいと自分でも思うが今は友達として関係を持ったまま。
それが時々、俺の傷口に塩を塗りこまれるが、そんな些細な事は気にしない。
ただ、幸せになって欲しい。
そう思うことは、赦してくれんだろ?
なぁ、幸村君
彼女はもう泣かなくなっただろうか?
遠目に見えた笑顔に、ただ安堵の笑みを浮かべる。
幸せになってくれて、よかった。