永遠の夢
□君が信じてくれなくても、この想いは本物
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「あー、クソッ!どうすりゃ良いんだよ!?」
盛大に叫びながら丸井はグシャグシャに髪を掻き乱した。
名字と比較的に考えれば仲は良いほうだ、と丸井は考えながらもモヤモヤと霧が掛かったかのように見え隠れする気持ちに、苛立ちを隠せない。
ばたり、と力なく机にへばりつき、ため息をこぼす。
一人になりたいと思う気持ちがある中、誰かを頼りたいと思う気持ちが交わる。
「なんじゃ、元気が無いのぅ?ブンちゃん」
「その呼び方、止めろよな、仁王」
「プリッ」
「だぁぁああぁぁ!!!話になんねぇ!!」
騒がしい、と目で訴えながらも仁王は頭を抱える丸井の姿にニヤリと口角を上げた。
困惑や戸惑いが顔に出やすい丸井。
その上、言動はそれを強調するかのようなものが多い。
仁王は顔を伏せた丸井の耳元に唇を寄せ、小さな声で呟く。
「名字がこっちを見とるぜよ」
「っ?!」
―――― ガタッ!
仁王の言葉を聞くなり、勢い良くその場に立ち上がった。
騒ついていたとは言え、ひどく慌てたように荒正しく立ち上がったのはあの丸井ブン太なのだ。
とうぜんのごとく、教室は静まり返った。
男子も女子も大きめの声を発することなくヒソヒソと小声で話す。
かぁっと羞恥に頬を染めれば、悪怯れた様子もなく声を押し殺したようなに笑う仁王をにら睨み付けた。
すまんすまん、と平謝りの仁王にいつものやり取りだと感じたクラスメイトはざわざわと再び何事もなかったかのように話しだした。
「――――ぁ、」
ぽつり、と呟かれた言葉と共に丸井は丸く大きめの目をさらに大きく見開いた。
丸井の視線の先には友達と可笑しそうに笑う名字の姿。
あまりの居たたまれなさに仁王を連れて、教室を飛び出した。
―― ざわざわ、ざわざわ……
教室のざわめきは静まらず、いつもの風景がただ、在り続ける。