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□平面上の可能性
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入学してからは、文章を書く他の部活も入ってみようと思った。例えば、新聞部とか。
記事を任されて書いたことがあるんだけれど、書き方が悪かったみたいですぐに追い出されてしまった。
私はただ、コンクールに入賞したイラストについて自己解釈しただけなのに。
そこで分かったのは、私はただ文章を書きたいんじゃなくて、小説を書きたいんだってこと。
そのことに気づいたときは嬉しかったけれど、私以外に小説を書く人がいないってことも、私が小説を書いていることが何にも活かせないことも変わらない。
「橋本さんだよね?」
いつの間にか今日も夢中になっていて教室はオレンジ色に染まっていた。
帰ろうとカバンにノートをしまおうとしていると、いわゆるアニメ声がした。振り向くと、見たことのないかわいい小柄の女の子が立っていた。
「そうだけれど……」
私がびっくりしてないように答えると、その女の子はにこっと笑って駆け寄ってきた。