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□愛に泣く
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"神楽のためならにーちゃんなんでもするよ"
そんな子供の頃の小さな約束に今もあの人は、縛られつづけている。
懐かしい夢を見た、アタシがいて母ちゃんがいて父ちゃんもいて、そしてにーちゃんもいる。
幸せそうな、いや幸せな家族だった頃の夢だ。
いつから壊れだしたんだっけ。忘れたちゃったヨ
「にーちゃん」
「なーにかなっ神楽ちゃんっ」
…底抜けに明るい声が聞こえたアル。いや違うネ、ありえないアルヨ。
「えっ呼んでおきながら無視ってひどくなーい!お兄ちゃん泣いちゃう」
「誰アルカ、あんたみたいなヤツ知らないアル」
「神楽ちゃんの愛しのお兄様だよー、ちょっと逢わない間にまた綺麗になったね」
「き、綺麗になったとか簡単にゆーんじゃねーよっ!」
「あー照れてるー」