*SP...

□みなさん用意はいいですか?
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深夜。


今宵決行されるゲームは、非常に難易度の高い困難なゲームだ。

一瞬でも隙を見せれば、あの世行きとなる危険極まりないものだ。



「…こーちゃん、セキュリティは?」

「……一応クリア。カメラ設置の準備は?」

「…うん。時限爆弾の方も、調子良いみたい」

「……あとは奴の三重のロックを解くだけだ」

「…了解。すぐ行くから、油断しちゃ駄目だよ」

「……わーってるよ」























―――時は7時間前に戻る。




「なぁ、カノンの奴、どうしてっかな」

「こーちゃんがカノン君のこと心配するなんて、」

「珍しいね。つかトランプしててどの辺カノン思わせた?」


俺、もとい香介と理緒と亮子とアイズでトランプをしていた。


その最中、俺がカノンの話をしたことからゲームは始まった。


「そうえばアイズ。あんたカノンに最近会いに行ってんの?」

「…いや。ピアノの方が忙しくてな」


アイズが表情を歪めながらトランプのカードを切る。

シャッシャッとカードを切る音だけが室内に響く。



「…カノン、元気にしているのか?」

「ん、一応元気にはしていたよ。でもやっぱり、アイズくんに会えなくて寂しそうにはしてたけど」


「なら俺からのプレゼントをやらねばな」


「待て待て待て。勢いよくカードをこっちに投げ捨てるな」



いきなり立ち上がったアイズは、何やら引き出しの中を漁っている。



そして取り出したのは、ビデオカメラと小さな四角い箱。


「見ろ。これがビデオカメラと箱だ」


「うん、そうだな。どや顔をするな」


まぁいつもどや顔のアイズなんだが、このカメラと四角い箱がどうかしたのか。

「これを使って、カノンにドッキリを仕掛ける」




「…はぁぁぁぁああ?!」














そして冒頭にいたる。

「くそっ…厳重すぎだろ。つーか、何で言い出しっぺのアイズがいねぇんだよ」


「仕方ないじゃんかぁ」


「Σぬぁ?!あ、理緒…」

「亮子ちゃんは陸上の大会があるし、アイズ君はお肌のために寝るみたいだし」

「アイズの理由はもはや女子だな」

「そんなことより!ロックは解除できたの?」


「おぅ、一応な。けど、簡単すぎねぇか?まるで俺たちを招き入れてるみてぇだ…」

「…まさか。大丈夫だよ、早くしよ」




そして俺たちは、カノンの部屋へ侵入した。


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