04/10の日記

20:30
新妻エイジ
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放課後、吹奏楽部所属の知恵美は、2年生の教室で個人練習を行っていた。
だが今日の練習は中々集中出来ずに楽器でさえ置いてしまった。
中々練習に身が入らないのは、
将来への迷いであった。



溜息ばかりが出る中、黒板に落書きをしていた。
その落書きの中身こそが迷い、悩みであった。
この学校のこのクラス、漫画家の新妻エイジ君。
彼を見ていると…



ガラッ



「あ、こんにちは知恵美さん。」







知恵美は何を見られたくなかったのか、黒板に描いた何かに背を向けて入って来た人を見た。


「…新妻君、どうしたの?」

入って来たのは新妻エイジ。

「授業中に描いたネーム忘れちゃって取りに来たデス。」


席が遠くて見えなかったけど、
授業中変な事言ってるのはそのネームのせいか。





「で、知恵美さん、黒板に何隠してるデス?」





新妻君、気付いてたんだ。




「ちょっとね…見せたくないもの。」



「………そうデスか。無理に見せてもらう理由も無いですし、帰りますケド……」


新妻君の目線があるものにうつった。私の担当楽器、クラリネット。


「近くで見るの初めてだし感激デス!文化祭のソロ凄く格好良かったです!、もう一回聴きたいデスけど、駄目デス?」



「解った。ソロするから、後ろ向いててくれる?」



「了解デース!」



くるり!と自分で言いながら後ろを向いた新妻エイジ。
知恵美は黒板消しを取って消そうとしたが何かが手を掴んで消せなかった。後ろには誰かが立っていて、知恵美の黒板消しを持った右手を新妻エイジが掴んでいたからである。振り払おうとしたが男の子の力には敵わなかった。



「はなしてっ」


「無駄な抵抗は止めた方が良いデス、知恵美さんの力じゃ僕は振りほどけませんよ。」



知恵美の左手も封じた新妻エイジは知恵美の描いたソレを見て


「何で消させてくれないの?」


一言いった。








「消せるはずありません。大好きな子が描いてくれたCROWなんて…」









不意打ちを喰らった気がした。
身体が熱い。あまりにも熱くて涙が出そうだった。



そんな知恵美の夢は漫画家だった。最近将来の事で悩む事が多かった知恵美は既に夢を叶えている新妻エイジに嫉妬していたとともに、自分は漫画家になれるのか?という不安を感じさせられていた。



そんな彼に好きと言われてしまった知恵美は頭が混乱して放心状態。下手な事は言えない、ましてや付き合うなんて以っての外。



「知恵美さんは何で吹奏楽部に入ったですか?」


「………?」


「僕は部活も勉強も漫画もガムシャラな知恵美さんに惚れたんデス。」


「……………。」


「その頑張りは絶対に裏切られません。僕がほしょうします。」


「……………。」


「あきらめたらそこで試合終了デスよ。」













end













今日は寝ないで書けました☆!
昼間たっぷり寝たんで笑。
因みに私の将来の夢は漫画家じゃありません。話的にチョイスしてみただけデスケド笑。
新妻さんに後ろから話してほしい今日この頃←
私より背が高くて、良い香りがしそうなイメージです。
手だけしか見えないのがオツッ
漫画で鍛えられた逞しい手が見れそう(はぁとっ)ではこの辺で☆

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