第一弾<book>
□ブッドレア【音羽様】
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『たくっ、ナツ何処にいんのよっ!!』
あたしルーシィ・ハートフィリアは憧れの【妖精学園】に受験し今日入学を果たしました。
何故か腐れ縁のナツも同じ学校を受けたみたい(だから受験期間あんなに勉強してたのね)
『もうっ!ナツぅーーっ!』
で、あたしはそんなナツを探しているんだけど・・・え?なんでって?
なんかナツが【一緒に帰ろう】って言ってたから別に無視して帰るのも出来るけど後がめんどくさいのよ。(拗ねるし)
『てかなんでいないのよーっ!』
学園探検ならあたしも連れてってよっ!!
てか勝手に探検しないでほしいわっ
『・・・っ』
そんな事考えてても現状は変わらないのだけど・・・
考え事をしながら走っていたのが
角を曲がったあたりで人に激突して相手の体が思いの外ガッチリしていてあたしは後方に足を滑らせた
『っ・・・』
衝撃に絶えるように目をギュッと瞑る
『・・・っ・・・?』
来るはずの衝撃は来ず変わりに手首を掴まれ相手の胸の中へ
『/////』
ドクンッと胸が高鳴ったのはきっと気のせいだろう
『あ、あのあ、ありがとう・・・ございます!あと・・・ごめんなさいっ!!』
即離れて相手の顔も見ずに頭を勢いよく下げた
「あ、おう。つかオレもボッとしてたしお互い様だろ。」
頭上から聞こえた声はまさにイケメン声という奴で
どうもあたしはそーゆのは苦手である
『ほ、本当ごめんなさいっ、ありがとうございましたっ!』
もう一度頭を下げて
その人の横を通った
最後まであの人の顔は見れなかった
「あっ、おいっ!」
後ろで声がしたけど下を向いたまま走った・・・のがバカだった
ガンッ
『っ・・・〜〜〜っ!!』
壁に激突して頭を押さえうずくまる
超痛いっ!!
「おいおい・・・。大丈夫か?」
呆れたように、けど心配そうにさっきの人に声をかけられる
『は、はぃ゛・・・(涙目』
大丈夫じゃないけどっ!
たんこぶ出来たけどっ!
痛いけど・・・っ!
「痛いんなら無理すんなよ・・・」
どうも彼には痛いのがわかってるようで
何故か背中と膝の裏に手を回し世にいうお姫様抱っこをされる
『っ!?(////////』
「おいおい。顔まで赤いじゃねーか・・・っ。それでよく大丈夫って言えたよな・・・っ(苦笑」
いやいや、あなたのせいだからっ!
あなたが世の中の女の子なら憧れるだろうお姫様抱っこを見ず知らずの女の子(あたし)にしてるから赤いんですってっ!
『〜〜〜っ!!!(/////』
「また、赤くなった」
解りきった事を言う彼を睨むつもりで見上げたが、ここで初めて彼の顔を見た
『・・・・』
「プッ、アホ面(笑」
相手を睨むのも忘れてあたしはフリーズする。
〈あっ、あれグレイじゃんっ〉
〈ほんとだっ!ん?あの子・・・だれ?〉
〈なんでグレイあの子に姫抱きしてんのっ!?〉
何やら外で女子が煩い。てかグレイ・・・
グレイって・・・
『・・・(サァー』
「?」
この人女子に人気の人じゃんっ!
女子に見られたらあたし死ぬっ
『・・・』
「百面相・・・」
あたしの気持ちも知らないで笑っている彼
『あ、のもう平気なんで・・・じ、自分で保健室に行けますから・・・っ』
「あと保健室まで少しだしもうちょい辛抱してくれ(苦笑」
この人が笑う度に胸がモヤモヤする。
ガラッ
「なぁ、怪我人連れて、クハッ」
保健室の扉を開くといきなりスリッパが彼の顔にクリンヒットした
「ってーなっ!!」
『毎度毎度ちゃんとドアはノックしやがれっ!!』
中に居たのは真っ直ぐな黒髪に真っ黒な眼をした美しい女性
その容姿と裏腹に言葉使いが乱暴である
『あっ、新入生の可愛子ちゃん。』
『どうも』
何故か保険医の先生はあたしを可愛子ちゃんと呼ぶ。なんか呼ばれすぎて1日で慣れた