さぁさ

□虹の向こうに見えた光
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今日、俺は決めたんだ。

大好きなんだ、ルーシィ。




虹の向こうに見えた光




「ねぇルーシィ、ちょっと頼まれてくれない?」


そうミラに言われて、今ルーシィはギルドの裏にいる。

ギルドの裏にある酒樽を持ってくる、という簡単な内容に快諾した。


ーーでも、今日は雨っていうことを忘れていて。


「あぁ〜っ、誰か連れてくればよかった…」

はぁ〜、とひとつため息。
もし、このまま1人でやったら、ぜったいびしょ濡れになる、とルーシィは考えた。

「はぁ、どうしよ…」
「よぉ、ルーシィ」

ふと、後ろから声がして。
振り向くと、そこには漆黒の髪が見えた。

「グレイ、こんなところでどうしたの?」

ギルドの裏は、滅多に人が来ない。
何か用事でもあるの? と、ルーシィは続けた。

「いや、ミラちゃんが『ルーシィがギルドの裏で酒樽を運んでる』って言ったから、手伝ってやろうかな…と」
「あ! そうだったの!? 助かる〜」

ルーシィはグレイに満面の笑みを浮かべ、抱きついた。
必然的にルーシィの豊満な胸が、グレイの胸板で潰される。

「…っ!? ////」 

その柔らかさに、顔が赤くなるグレイ。
そんな様子に気づくことなく、ルーシィはゆっくりと離れていった。

「じゃあさ、傘さしてあげるから、ソレ持って」
「お、おう…って、ちょっと待て」
「…? 何よ?」

確かにミラに言われ、ルーシィを手伝おうとしていた。
が、グレイにはもう一つ目的があった。

その目的とは、“ルーシィと2人きりになること”。

「ルーシィ」
「は、はい」

グレイが改まって名前を言ったもんだから、思わず驚いた。

「あのなぁ…、俺…」
「何よ? 言いたいことでもあるの?」

ルーシィはさっさと頼まれ事を済ませたいため、グレイを急かした。
けれども、グレイは口を濁らしたまま。

その時ルーシィは気づいた。
グレイの頬が紅色に染まっていることに。

(何よコレ…。まるで告白されるみたいじゃない…)

ルーシィが前に読んだ本に、こんなシチュエーションがあったのを思い出す。

その時、グレイは意を決したようで。
手をルーシィの肩にかけた。

「ルーシィ…俺は」

ゴクリ…と、ルーシィは唾を呑み込んだ。

「好きだ」
「は、はぁ…? い、いきなりななな何言ってんのよ///」

言葉ではそう言っているが、顔が赤いのはグレイにモロバレで。
グレイは嬉しそうに苦笑いすると、自分の指で、くいっとルーシィの顔を上げた。

上げた瞬間、グレイは自分の唇をルーシィのソレに優しく口づける。

「〜っ!?///」

ルーシィはいきなりの事で、頭がついていかず、パニックになる。

「…信じた?」
「わ、け分かん…んっ!」

ルーシィが言い終わる前に、グレイはまたキスをした。
今度のは触れるだけのキスではなく、深いソレだった。

グレイの舌がルーシィの舌を吸い取るように、絡める。

「…ふっ、……ん…は…ん」

徐々にルーシィの声が甘くなり、それを聞くとグレイは口を離した。

2人の間に、つうっと銀色の糸が流れる。

「あと何回キスしたら信じてくれる?」

グレイがわざと耳元でいつもより低く囁くと、ルーシィの顔は茹で蛸のように赤く染まる。


「…あたしも、す、好きだよ…?」


実は、ルーシィもグレイのことが好きで。
今日だってジュビアと居たグレイを見て、嫉妬して。
ちょうどその時、ミラに頼まれて「ジュビアと居るグレイを見なくなる」と思って、承諾したのがついさっき。

ルーシィの言葉に、少し残念そうにグレイは笑った。

「もっと、キスしたかったな…」
「ば、ばかっ!///」



ちょうどその時、ミラが

「ふふふ。上手くいったかしら?」

なんて言いながら、2人の帰りを待っていたのは知らない。



ーendー




あとがき


タイトルに意味なんてありません!
ごめんなさいorz

読んでいただき
ありがとうございました(^_^)v


 

 

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