■Novel■

□◆World Of War◆
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いつもと何も変わらない朝。鳥達が囀りながら自由に空を飛び回る朝が来た。
カーテンの隙間から差し込む光の眩しさに、リオは小さく唸ってゆっくりと目を開いた。キョロキョロと部屋を見渡し、隣で眠っている青髪の青年の肩を揺する。
「…シュウ、朝」
遠慮したような弱々しい声に反応して、シュウが髪と同じ青い瞳を瞼から覗かせる。
「ああ…おはよう、リオ」
「おはよ」
リオの無邪気な笑顔で、一日は平和に始まった。
そして、一日が平和に終わることを望んでいた。


こんこんっと軽く小気味よい音が玄関から部屋の中に響いた。
シュウは誰かの来訪に気付くも、着替え途中の為リオに声をかけた。
「リオ、悪いけど出てくれないか」
「うん」
顔を洗っている最中に頼まれ、リオは顔も拭かずに玄関へと向かった。滴る水が幾分大きい服の襟に染み込む。
リオが玄関に向かい木材で出来た床が軋む音が止んで暫くすると、何かが倒れる音が勢いよく家の中に殴り込んで来た。
あまりに突然の出来事に、シュウは一瞬戸惑ったがすぐにリオの跡を追って走った。
「リオ!!」
半分開いたままのドアを乱暴に開けて外に飛び出すと、リオとリオに乗られて倒れる人物がすぐに目に入った。
考えても見なかった状況に言葉が出ない。
「アズー!!」
リオが懐いているらしい'アズ'という人物が体を起こして、倒れた時に打った後頭部をおさえている。
「いてて…お前なぁ…」
その顔を見て、シュウが目を見開いた。
「…アズマ!?」
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