萌尽きた物

□めいる*(十万御礼二位現代佐政)
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『To:佐助
Sub:伊達ちゃんへ。
本文:
昨日は楽しかったねぇ』


携帯に送られてきたメールを読んだ瞬間、政宗は硬直する。

佐助と政宗は恋人同士だ。
だが恋人なんて甘く、温かい関係でもない。
どちらかと云えば、カラダ関係のみ。抱く方抱かれる方。
佐助が政宗を抱きたいと言ったのが始まりで、そこから関係が決まった。
政宗も行為自体に興味があったから、抱かれるのに抵抗は然程無く。
ただ、行為を重ねる度に自分の身体が淫らになり、そしてそれを楽しむ様に佐助の行為もエスカレートしていった。

『To:佐助
Sub:伊達ちゃんへ。
本文:
昨日は楽しかったねぇ。伊達ちゃん、相変わらずイヤらしかったし(笑)』

メールをスクロールすれば、昨日の出来事を彷彿させる文に政宗の目縁に、さあっと朱が走る。
「――…!」
携帯から顔を上げ、斜め前に座る佐助を見れば、口元にだけ笑みを浮かべて政宗を見返している。
再び手の中で携帯が振動し、メールを受信した。

『To:佐助
Sub:伊達ちゃんへ。
本文:
昨日はラブホだったからさ、色んなコト出来たし。伊達ちゃんも興奮したんじゃな〜い?』

あの野郎!と睨んでも、佐助は笑うだけ。
それより、昨日の事が政宗の脳裏にフラッシュバックしてきて、政宗は顔が熱くなる。
佐助に連れ込まれたホテルで、散々喘がされた。

(ねぇ、何処がイイの?ちゃあんと言って?)

(ねぇ、もっと奥まで指入れて見せてよ。…ね、そのまま拡げて。ふふ、ヤーラシイねぇ。ヒクついてるよ)

佐助に言われた言葉が、次々と蘇り政宗の体の内に熱を灯し始める。
見計らうように、携帯が振動する。
「…っ」
熱を過敏に捉える自分の体が、微かな振動すら過敏に受けとめる。
息が上がり始めている自分の体が情けない。

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