隣人

□恋人ぷらす(フリリク)
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「No!断固拒否する!」
「かぐやちゃんー!ねぇ、そんな事言わないでぇ〜」
「嫌なモンはい・や・だ!」


政宗さんを迎えに行ったら、何やらベルさんともめていた。

「どうしたんです?」
「あ!幸村くぅん、ちょうど良かった!」
幸村が二人に声を掛けると、ベルの顔はたちまち輝いた。
―とは別に。
「Hey、幸村ァ!そいつの言う事に耳を貸すな!」
悪鬼の形相で、政宗は幸村に牽制の意を表する。
「……実はねェ、お風呂が壊れちゃって」
「はぁ」
しなを作りながら、なよなよとベルは幸村に話し始める。
「お風呂が壊れたのは別にいいの。お米取り除けば何とか」
「米?」
幸村が聞き返すと、
「風呂釜で米、炊こーとしたんだってよ!このバカはよー!」
すかさず小馬鹿にした様な政宗の罵声が飛んできた。
「ウルサイワネッ!炊飯器でちまちま炊くのが面倒だったのよっ!」
キー!とベルが政宗に掴み掛かる。

いや、面倒だとしても…風呂で米を炊くという発想には至らないだろう。
幸村は苦笑う。
「それで…どうしたんですか?」
幸村が聞くと、「そうっ!問題はソコなのよっ!」とベルが振り返り、政宗は「バカ!聞くなっつってんだろ!」と吠える。
「おウチの鍵なくしちゃったみたいで。だから、今夜一晩泊めてくんないかなーって」
「はぁ…別にいいんじゃないんですか」
「本当!きゃあ!やっぱ幸村クンって優しい!んもぅ!好きになっちゃいそう!」
『このオカマ殺し!』なんて言いながら、ベルは承諾が取れたので、鼻歌を歌いながら荷物を取りに店内へと戻った。

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