キリリク

□非正攻法な手段*(キリリク)
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 ■ ■ ■

――やっぱり媚薬なぁんてモンは無いのかなあ。
「…って事だが、今期の予算についてなんかあるか?」
《生徒会長》っつー肩書きを持つ伊達ちゃんを横目に、軽く溜息をつく。
何時もの、ちょっと無愛想な顔で淡々と《生徒会長の仕事》をこなしていく。
あーあ。やっぱそんな都合の良いもん有るわけないですよねっと…はは。

がっかりした気持ちを隠しつつも、伊達ちゃんや他の生徒の話を書記帳に纏めていく。他の事に没頭すれば、あっというまに会議は終わった。

「あー、やっと終わった。メンド臭いよねぇ、生徒会ってのも…――?!!」
一瞬、何が起こったのか分からなかった。
何故って、伊達ちゃんがオレの胸倉を掴み上げて口付けてきたからだ。
しかも、そのまま座っていた椅子から床に引きずり倒された。

「―んっ、」
ガシャン、ガタン!とパイプ椅子が金属音を立てて倒れ、伊達ちゃんが立て続けに馬乗りになってくる。
「伊達ちゃ…」
慌てて口付けを解いて、見上げた彼の顔を見て驚いた。
「――…テメェ、なんか変なモン入れただろ」

品物はどうやら本物だったらしい。

明ら様に情欲に塗れ、浮かされた隻眼。見た事無い表情に下半身が思わず反応した。
その表情に、情欲が刺激される。此処は是が非でも伊達ちゃんを抱きたい所だ。

「いやぁ…何って。チョット」
「『チョット』って何だよ…!Shit!」
「え?あ、ちょ、ちょっと!?伊達ちゃん!」
豪快な舌打ちをした伊達ちゃんは、力任せにオレのベルトを引き抜こうとする。あわわ!これじゃ逆じゃない!オレ様、ヤられちゃう!
「ね、ねぇ!待って…!待って伊達ちゃん」
「…っ!」
その動作を制するべく、伊達ちゃんの胸に手をついて押し返すと、伊達ちゃんは「ッあ、ん!」と、歓喜の声を上げて潤んだ左眼で睨み付けられた。
その仕草で確信した。
「伊達ちゃん」
「Ah?な、なんだ…、アッ!」
馬乗りになってる伊達ちゃんのズボンをなぞれば、かすかに湿っていた。

――やっぱり、ね。

「ねぇ、イッたの?」
「…るせっ!妙な薬、盛りやがって。とっとと終わらせろ…!」
『Damn!』と、悪態を口にすると、ベルトに手を掛けた。


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