キリリク

□付き添いはツライ!(キリリク)
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オレの名は猿飛佐助。真田戦忍の長をやっている。
……戦、忍のオレ様が。
ナノニ何故、あぁ、なんの因果でこのバカップルの面倒を見なきゃいけないんだ!ホラ、今だって。

「……政宗殿」
「……幸村」
「……政宗殿」
「……幸村」
「まさ「あー!はいはい!もー、いーから!分かったから歩かないと日が暮れるよ、旦那達ッ!」

群雄溢るるこの戦乱の世。
何があっても可笑しくはないが、まさか、好敵手と認め合った竜の旦那とウチの旦那が恋仲になった。

どうやったらなるんだよ!

思わず戦場の中心でツッコんでしまいたかった。
この前まで命のやり取りしてた人達が、何コレ。出会うたんびに視線を絡ませて抱き合って………。
「……政宗殿」
「……幸村」
「……政「もう分かったってば!さっきから全然歩いてないじゃない!本当に行く気あんの?!アンタ等!」
荷物を担ぎながら佐助が怒鳴ると、政宗が口端を上げながら、
「猿飛の奴、嫉妬焼いてるぜ」
と、幸村に耳打ちする。
「ふ…あやつも羨ましいのでござりましょう。政宗殿の様な美しい人が某の恋人なのですから」
と、幸村は返す。
「う…美しいって…バカ。んなわけねーだろ…」
「いえ。政宗殿は何よりもお美しい。斯様な美しい方を独占出来るのですから、佐助が某に嫉妬するのも分かりまする」
キラキラ笑顔で幸村が微笑むと、政宗は真っ赤になって小さく「…幸村」と呟いた。
「あのね!全部聞こえてるから!!嫉妬しないし、してないし!つーか往来で見つめ合わない!口付けようとしない!」
ベリ!と音がしそうな勢いで佐助は二人を引き剥がす。
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