キリリク

□年下王子*(キリリク)
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いつもなら喧しいくらい大声を出して教室に駆け込んでくるはずのアイツが来ねぇ。
放課後になってクラスの人間も疎らになった中、伊達政宗は不機嫌な人相を益々凶悪な人相に変えて、椅子に座っていた。
この男、そこまで待つのがイヤなら帰るなりすれば良いものをそこは臍曲りなのか、ツンデレなのか。
いつも、いつも、満面の笑みを撒きながら犬の様にやってくる年下の王子様を待っているのだ。

「…何でこねーんだよ」
携帯を取り出してカチカチとメールを打つ。
用件を全て書き込み、【送信】ボタンを押そうとした時、メールが届いた。
その着信音で待ち人の物と分かる。
読んでみれば、『本日、補習で残されております』とのコト。
「バァッ…カ」
苦笑しながらも政宗は鞄を引っ掴み、大急ぎで居残り王子の元へ向かった。


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