キリリク

□年下王子*(キリリク)
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「こんなのも出来ねぇのか、オマエは」
「…伊達先輩ほど、某賢くないでござる」
わざわざクラスまで押し掛けながらも、政宗は目の前で未だ何も書き込まれていない補習用紙を広げた幸村を見ながら憎まれ口を叩いていた。
「伊達先輩は…教えてくださるとかないのでござるか…」
じっ、と幸村は政宗を見つめると
「Ah?しょーがねぇなぁ…教えてやるか」
まんざらでもなさそうに政宗は笑って答えた。
「…で、Yを代入してやれば」
「出来たでござる!」
政宗の手ほどきで、先程まで白紙だった用紙は見る見るうちに数式で埋まっていった。
「やれば出来んじゃん。ホラ、ご褒美」
わしわしと幸村の髪を撫でながら、政宗は軽く頬に口付けた。
「さ、早く終わらせよーぜ。今日ウチ来るんだろ?」
「伊達先輩」
「ん?」
笑う政宗とは裏腹に、目の前の幸村はいかにも切羽詰まってます、といった顔付きだった。
「この様な所で…シテ欲しいのでござるか?」
「ハ…?ちょ、今のはそーゆー意味じゃ無くってな…オイ、幸村?」
政宗の言葉も聞かず、幸村は立ち上がり教室の出入口の鍵を閉めて、
「伊達せんぱい!えっちするでござる!」
と、政宗の大好きな笑顔で飛び付いてきた。
「Oh〜…。火ィ点けちまったか」
「責任取ってくだされ」
笑顔で幸村は政宗の制服を脱がしていく。
「Umm…分かったよ。でも、背中痛いのヤだぜ?」
「心得ました」
そう言って深く口付けを交わした。

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