キリリク

□彼の事情(フリリク)
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「伊達ちゃんって何で合コン来るの?」
「an?」
合コンの場で、佐助は政宗に問うた。


先日、合コンで出会った彼。正式には違うけど。
大学では結構有名人。容姿もカリスマ性もさることながら、
「本当に、ご飯だけ食べに来るの?」
「Yes」
恋愛事に一切興味がないってのも有名。


オレの目の前で綺麗にパスタをクルクル巻いて、伊達ちゃんは口に運ぶ。
「ソレ以外何が目的でくるんだよ?」
恋愛に興味なくとも合コンには来てくれる。
……タダ飯食いに。

佐助は大皿から料理を取り、政宗の前に差し出した。
「………えーと、出会い。とか」
「ハハッ!出会いって、オマエ!」
豪快に笑われた。…オレ、そんな可笑しな事言ったっけ?
いいか、オマエなぁ。と云ったカンジで伊達ちゃんは話し始める。
「オレにとっちゃ、ココはタダ飯が食える場所であって、出会いとかは望んでねーの。You See?」
にやり、と笑う。
――だが。
「政宗どの〜、こちらも食べてくだされ」
「政宗!この酒、ウマイゼ!」
「Oh.Thanx」
政宗の周りに幸村や元親が料理を持ち寄って集まる。
佐助はそんな政宗の姿を見つめながら、息を吐く。
女の子はもとより、男にも人気があるのは知ってた。
合コンの面子が足りなくって、彼と親友で幼なじみのかすがに紹介してもらったのがきっかけ。
メンバー集めってコトもあったから、あんまり興味なかったんだ。会うまでは。
実際、会って話してみて周りが彼に魅かれるように、
オレも魅かれた。
『むしろ一目惚れってのかなぁ』
外見もそうだけど、中身もモロ好み。ちょっと…と言うか大分キツイんだけど、それがまた可愛い。むしろ、似合ってる。
彼を、伊達ちゃんを合コンに誘うのは二回、三回と増えていた。
もちろん、伊達ちゃんの会費(食事代)はオレ様持ちなワケで…お話したいだけ、お近付きになりたいだけでココまでするオレって………。
「オレ様って…マゾかも」
苦労するのは目に見えてるのに。
佐助は溜息を吐くと、そのテーブルを離れて他の女の子達がいるテーブルへと足を向けた。

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