モノオキ

□*好きな物
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真田幸村 十七才。
好きなもの、団子。
団子以外に、甘い物全般。


「っ…ふぁ…」
背後から政宗を掻き抱く様にして、幸村は政宗の体内へと雄を埋めていた。
「も…いい加減、抜けッ」
弱々しくも政宗が幸村へと抗議をする。
だが。
「否でこざる。政宗殿との逢瀬、たかだか二度、三度で終わる訳には往かぬでござろう。」
云って幸村が軽く腰を揺すると、接合部からは粘着質な音があがり、政宗の口からは擦れるような吐息が漏れた。
「…ッ、この…ケダモノが」
「ふふ…。…そのような口を利けるのであれば、まだまだイケそうでござるな。」
「――バッカ、無理!…ぅあ!」
云うが早いか抽挿を開始した幸村に、政宗の言葉は空へと消えた。


こうなった切っ掛けは血生臭い戦場。
互いに漲った熱を、渦巻いた欲熱を、一番身近にいた、先程まで刄を交えていた男で共有した。
厭う事無く受け入れた政宗に幸村も、容赦無く熱を放った。
それからだ。
それから、二人。幸村と政宗は戦場以外でも身体を重ねるようになった。
まるで刀を交える様に、自然に当たり前になっていった。
何故自分は政宗を抱くのか。一度切りの関係でよかった筈なのに。その場限りだった筈なのに。
――何故、今でも自分は政宗を抱くのだろう。

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