モノオキ

□肌
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朝、肌寒くて、幸村は目を覚ました。
先刻まで腕の中に居た暖かさが無くなり、胸元には冷気が入り込んでくる。

「…政宗…殿‥?」
眠い目を擦り、まだ覚醒仕切らぬ頭で愛しい人の姿を探すと、視界の端で衣が動いていた。

「政宗殿」
幸村は、寝起きの少し擦れた声で政宗を呼ぶと、政宗はそれに気付いたのか、脱ぎ掛けていた寝着を着直した。

「Mornig 幸村、それとも起こしちまったか?」
少しだけ体を幸村の方に向け、政宗は笑った。
「…いえ。某も起きねば為りませぬから」

―――瞬間。
幸村は政宗の首筋に釘付けになってしまった。
自分が点けた跡が、ありありと浮き出ていたのだ。

「……………!!!!」
幸村は顔が真っ赤になって、政宗から目を逸らした。
夜と違って、日の下で見る彼の肌は白くて、まるで雪みたいで。
そんな白に、咲いた紅。
幸村は昨夜の情事を、自分のしでかした事を思い出して恥ずかしくなった。

どれだけ、自我を忘れて彼を欲していたのか――。


「?オイ、幸村。どうした?顔真っ赤だぞ!」
「ななななんでもないでござるっっ!」
政宗が近づこうとした瞬間、幸村は慌てて顔を振った。

「…なんでも無い訳ねーだろ。そんな真っ赤な顔して、脂汗まで出てんじゃねぇか。」
「…イヤ、…これは、その…」
言えない。言える訳が無い。
自我を忘れていたにせよ、あんな目立つ所に……!


―――――――あ。


幸村の雄が反応した。
昨夜の事を考えていた所為だろうか。それとも、目の前の人の所為だろうか。

どちらにせよ。
『俺は馬鹿か――!!』

幸村が無言で布団に突っ伏すと、政宗はますます慌てた。
「ッオイ!?本当に大丈夫なんか!?どっか痛いのか!?吐きっぽいのか?背中擦ってやろうか!」
「…政宗殿…」
悲痛な面持ちで政宗を見上げた。
「何だ!やっぱ具合悪いのか!?今、桶か何か持って…」
立ち上がろうとする政宗の腕を幸村は掴んだ。
―――そして、





「擦るなら、某の息子をお願い致す」

―――と、真顔で宣った。

その後、政宗の自室から人の声の様な叫びが聞こえたとか、聞こえないとか。





………………………………
おかしいな…、本当はもっと違う話だったんですが!
今となっては言い訳でしかないですね。すみません。
今考えたら、ギャグ風味なのって始めてかもしれん。
難しいからなー(汗)小説で書ける人は凄いと思います!
では、駄文にお付き合い下さいまして有難う御座いました!

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