頂物・捧物

□酔っ払い
1ページ/3ページ


『酔っ払い』



「ゆーきーむーらっ。」
上機嫌な声に呼ばれて振り返れば、そこにはすっかり出来上がった政宗がへらへらとして佇んでいた。
「また飲み過ぎましたな、政宗殿。」
「んな小言はこじゅうろーだけでじゅーぶんだ!」
つい小言が口を出れば、唇をへの字にした政宗ががばりと抱き着いてくる。
酒臭い。
「いーから!えっちしよう!」「は…?えっち?」
外来語は分からないと言おうとするも、すぐに唇を唇で塞がれる。がつり、と小さく鈍い音と痛みがしたから歯がぶつかったのかと思えば、そういうことかと納得をする。
「痛い…。」
「でしょうな…。まあ、某は構いませんが、そんなに酔われて出来るので…?」
「俺に不可能はねえっ!」
きっぱりと言い切った政宗は幸村の膝に跨がり、その首筋を舐め出す。
「幸村…、早く、しようー。」
「はいはい…折角の据え膳ですから、ちゃんと頂くでござるよ。」「へへ…、幸村、幸村…。早く早く…。」

(まあ…こんなに酔っていて、最後まで持つか怪しいでござるが…。)

すると幸村は、べたべたとひっついて離れなくなった政宗の裾の間に手を差し入れ下帯を崩す。
「んー…。」

腕を幸村の首に回し顎を肩に乗せ、政宗は腰を引く様にして背筋を伸ばす。少し熱を持った政宗の性器を根本からやわやわと揉みしだいてやりながら、指を上らせていけば、それはあっという間に芯を持つ。

「…ゆきむら…。」

酒のせいか掠れた声が耳元でしたかと思えば、耳に吐息がかかり熱く濡れた舌でたぶを舐められ吸われた。
「あんまり悪戯をなされるな…我慢出来なくなります。」
耳を政宗から引き、小さく諌めれば、仕返しとばかりに先端を親指でぐりぐりと擦ってやる。
「あっ…!」
びくっと体が小さく跳ねれば、平生より幾分か高い声が耳に響く。 「そこ、っ…もっと…!」
ところが、首筋に額を押し付けてねだってきた政宗に、幸村は唖然とする。



次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ